私は毎日、たくさんの相談を受けています。その多くは自分がこれから進む道筋について、どちらが良いのか「判断してほしい」というものです。たとえば夫との結婚生活が上手くいかず、心の中に大きな不満や不安が蓄積されている妻がいます。彼女が妻であり、母であったとしても、そのために自分の気持ちを抑え込んで今の生活を続けなければならない理由はありません。彼女自身も一人の女性として幸せに生きる権利があります。そんなとき私に「離婚をした方が良いでしょうか?それともこのまま結婚生活を続けた方が良いでしょうか?」と判断を仰いでくる人がいます。
あなたが今の会社で働き始めてから、すでに20年が経過しています。その中で自分なりに会社の売り上げが伸びていくようにいつも頑張ってきました。しかし、上司が変わり、会社の経営陣も変わり、いつの間にか自分は会社が必要としているメンバーから外れてしまいました。花形だった営業部門から、管理部門へ異動になりました。肩書は同じですが、残業も無くなりその分、給料も安くなりました。会社が、私の方から退職を願い出ることを待っているのは明らかです。そんなとき私に「年齢が上がらないうちに今、現職をした方が良いのでしょうか?それともこのまま会社に残った方が良いでしょうか?」と尋ねてくる人がいます。
私がそんなときに判断の材料にするのは、進む道を変えた後に“今よりも幸せになっているのか?或いは今よりも苦しくなっているのか?”それを重視します。今の現状が本人にとって厳しいことは良く分かります。しかし、良いと思って路線を変更したことで、今以上に状況を悪化させてしまうこともあります。私は霊視によってその人がこれから進む道筋を感じ取ります。私が感じた未来によって、踏みとどまった方が良いのか、思い切って転換した方が良いのかは明確に判断できます。
ただ、ほとんどの人には、“未来の道筋を感じ取って判断すること”はできません。自分自身で自分の進む道を選ばなければならなくなります。そんなときにどちらの道を選ぶのか、ポイントになることが一つあります。それは純粋に自分自身にとって“どちらの方が幸せなのか”を考えて決めることです。自分に付随するもの、たとえば配偶者や子供・家族の状況を考慮して判断しないことです。まずは自分に関係している状況を取り払い、自分が進みたい道を選ぶことが、後々悔いを残さない選択になります。
たとえば夫からDVを受けている妻がいます。誰に相談しても「別れた方が良い」と言われます。自分自身でもそう思っています。しかし、私立高校へ通っている息子はあ2年で高校を卒業します。そして大学進学を希望しています。自分自身は結婚してからもう20年近くも専業主婦をしています。若いころはバリバリ働いていましたが、今すぐに仕事に就ける自信はありません。ましてや息子が私立大学へ入ったときの入学金や授業料を自分で稼げるとは思えません。だから今、痛い思いをしても、惨めな思いをしても息子のために堪えています。息子が大学まで入学できれば、奨学金で卒業の道筋を付けることはできます。それまであと2年我満すれば、良い未来へつなげることができます。そう思って離婚を思いとどまっているのです。子供の幸せを願う母親の選択としてはきっと正しいのかもしれません。しかし、私がその相談を受けた時の回答はもちろん「ノー」です。お子さんの入試も近づいてきているならなおのこと、すみやかに離婚へ向けて進むことを勧めました。
その理由はさまざまにあります。DVはしばしばエスカレートしていきます。最初のうちは頭を軽くたたくとか、人のいないところへ物を投げていた夫は、妻がそれを耐えていると思うと次第に暴力をエスカレートさせるのです。そして大けがをさせるところまで暴力は続いていきます。それによって障害が残るような怪我を負わされたり、命にかかわるようなことになれば、取り返しがつきません。私はこれから2年の間に、そうなる可能性を強く感じたのです。あとは息子さんの気持ちです。自分の目の前で、父親に暴力を振るわれている母親を見ている息子さんは、父親をどう思うでしょうか。そしてそれに堪えている母親が、自分のために痛みをこらえて我慢しているとしたらどう思うでしょうか。もし、私なら子供なりに身を挺して母親を守ります。腕力で父親に敵わなければ、武器になるものを持ってでも、父親を攻撃します。そして心の底から父親を憎み、軽蔑します。そして母親に対しては“申しわけなさ”からまともに目を合わせることもできなくなります。もちろん会話は言葉になりません。この家の中で暮らす高校生が、2年後に迫った大学受験で、自分の力を発揮することができるでしょうか。この環境では息子の心もすさんで受験どころではなくなります。横道へそれる可能性があります。そうなれば夫の収入がいくらあっても、暴力に堪えた母親の思いは報われません。それどころか自分がDVに堪えたことで、息子が不良化してしまったとしたら、これほど悲しいことはありません。それではどのようにすればよいのでしょうか。(2)へ続く。
【2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方