第１３６３回　欲との闘い（１）

　ときどき「シュンさんは、自分の未来は見えないのですか？」と聞かれることがあります。よく「霊能者は他人のことは見えても自分のことは見えない」と言われます。私の場合、それは合っているとも合っていないとも言えません。「東日本大震災」では３月11日の朝から胸騒ぎがしていて、その日の午後から車で出張鑑定に出かける予定を直前になってキャンセルしました。もしこの日に予定通りに出張鑑定へ出かけていたら、帰りはまったく動かない大渋滞の中で車の中で一晩過ごすことになりました。このように自分のことでも、特に悪い未来を感じることはしばしばあります。ただ、私の場合は、守護霊がとても強くて“九死に一生”を数回やっているので、それが霊能力として未来を感じたのか、守護霊が助けてくれたのかは微妙なところです。

　以前、このブログで書きましたが、「明け方の鎌倉の海岸で、離岸流で沖へ流されて戻れなくなり、一波ごとに海中に巻き込まれて溺れたこと」「夜のバイパスを高速で車を運転中に、数秒間、完全に眠ってしまい、目が開いたときに反対車線を走っていたこと」「子供の頃に、家の近くの大規模な宅地造成の工事現場で、急斜面の芝生を保護するビニールの上を頭を下にして滑り落ちて、崖の上から空中へ飛び出しそうになったこと」などは、明らかに守護霊の力で奇跡的に命を救われました。しかし、「病院や医師の選択では、常に良い先生と出会い、今も日常生活に支障を出さずに生きていること」「過去１０数回の引っ越しの中で、欠陥住宅や近隣にトラブルメーカーが住んでいる部屋をいつも避けて引っ越しをしてきたこと」などは、自分のことであっても未来を正しく感じ取ってきたから、できたことだと思っています。ですから自分の問題であっても、霊能者が未来を感じ取ることは不可能ではないのです。

　ただ、霊能者が自分の未来を常に感じ取れるかと言うと、決してそうではありません。まずポイントの一つは、「スイッチを入れること」です。霊感に”オンオフ”のスイッチがあるとすると、「スイッチオン」にしなければ明確には感じ取れません。普段は私の霊能力が１００あるとすれば、３０ぐらいが作動している状態で生活しています。ですから命にかかわるような重大な問題でなければ、その未来を感じ取ることなく素通りしています。ですから病院へ入る前に一旦立ち止まって、「この病院へ通ってひどい目に遭わないか」「良い先生に治療を受けて笑顔になっているのか」その未来をイメージします。そうすることで浮かんできたイメージを参考にして判断しています。お部屋選びも同じです。引っ越し先の候補となる土地や建物の前に立って、その場所で生活している自分をイメージします。その時に自分の笑顔で浮かぶのか、憤怒や悲しみの表情が出てくるのか、頭に浮かんだイメージに基づいて判断します。いつも自分のキャパシティの８割９割を使用していては消耗が激しくて普通に生活することはできません。ですから普段はオフにしているスイッチをオンにしなければ未来は見えてきません。

　もう一つのポイントは、“欲望や願望”を１００％捨てることです。霊能者が自分の未来を見えないのは、“欲や願望”によって、感じ取った未来がゆがめられてしまうからです。霊能者も人として生きている以上は、さまざまな欲望や希望・願望を持っています。それは私も同じです。ですから自分の未来を見るときには、どうしてもそれらが入り込んでしまいます。そして入り込んだ瞬間、客観性は失われて見える未来は変わってしまうのです。その理屈で言えば、自分の未来だけでなく、家族や大切な人間の未来も正確には感じ取れません。もし、病気になった家族の未来を見ようとしたとき、どうしても良くなっている未来、快癒して元気になっている未来を期待してしまいます。その思いが２％でも３％でも心にあるとき、未来を客観的に感じ取ることはできなくなります。ですから何かの原因によって苦しんでいる方から霊視鑑定を頼まれたとき、私の本心はその状況が１日でも早く改善されることを望みます。しかし、霊視の作業としては、そんな思いも捨てて心をフラットな状態にして、単純に時計の針を進めて未来を感じ取ります。（２）へ続く。

【２０２２年９月１日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店（アマゾン・楽天など）で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。