第１３５５回　プラスになること

健康のために必要なことはさまざまにありますが、“健康の３要素”と言われているのは、「栄養（食事）」「運動（トレーニング）」「休養（睡眠）」になります。オフィスで１日中仕事をしている人、また工場で１日中作業を続けている人など、私も含めて室内で１日中過ごしている人は、おのずと運動不足になります。年を取ってくると食事には気を付けている人は多いのですが、運動の足りていない人は多いように思います。逆に言えば、「適度な運動」を続けることは、健康にとってプラスにはなってもそれがマイナスになることは何もありません。

同じように人生においてプラスにはなっても決してマイナスにはならないものが「趣味」になります。人生を軽やかに生きる上で、”気持ちの切り替え“がポイントになることはこのブログの中でも何度もふれてきました。必要以上に物事に執着したり、こだわりを持つことは、人生を重たく面倒なものにしていきます。こだわりを持たず、嫌なことがあっても上手く気持ちを切り替えられる人は、いつでも風のように軽やかに生きていくことができます。前回のブログのように「恋愛」で迷路に入り込んでしまった人、「仕事」で壁を乗り越えられずに悩んでいる人、「職場」でパワハラを受けて落ち込んでいる人は、いつもそのことで頭の中がいっぱいになっています。その時間は本人にとってはとても苦しくて辛い時間です。その時間が一日中毎日続いていけば、いつかは心のバランスを崩してしまいます。苦しい時間を断ち切って心休まる時間を作ることができれば、その時間、本人の心は救われます。根本的な問題解決には時間がかかることは多くありますから、苦しい状況の中でも気持ちを切り替えて心休まる時間を作ることが大切なのです。その際に「趣味」はとても有効です。趣味があれば、それに没頭している間は嫌な思いから逃れられます。そしてストレスを発散できます。景色や環境を変えることが出来れば、気分転換になって頭が活性化されます。さらに生涯続けられる「趣味」の時間ができると、人生がとても豊かになるのです。

　多くの人は人生（＝毎日の時間）を仕事とプライベートに追われて年齢を重ねていきます。頑張って働いてお金を稼いでも、それは毎日の生活やさまざまな支払い、そして少ない余暇に費やされて、自分の心のメンテナンスには使われません。たとえば武道を習っていた人は、道場に入ることで身も心も引き締まります。それは仕事とは違った心地よい緊張感をもたらしてくれます。お茶を習っている人は、茶室でお茶をたてることで緊張ややすらぎを感じながら心は満たされて行きます。釣りの好きな人は、大自然の中に身を置くことで、日常の疲れは抜けて気持ちは軽くなるでしょう。前回のブログで書いた”監督を大好きになった女性“も、もし何かの趣味を持っていれば、頭で悪いと思っている方向へ入り込むことは無くなります。刺激が好きで恋愛が好きな人でも、趣味があれば、趣味によって満たされますから、他へ刺激を求める必要が無くなるからです。

　そして趣味の世界でつながる”人間関係“はお金や損得が絡みませんから、心地よく語り合える気の合う仲間が作れます。同じ趣味を通じて楽しい話題には事欠きません。同じ趣味にハマっている人たちは、嗜好が同じですから波長の近い人が多いのです。波長が近いということは”感じ方“が似通っていますから、趣味を離れても気が合う人が多いのです。

　さらに家と職場ばかり見て生きてきた人が、「趣味」という新しい環境に飛び込むと、その分、視野が広くなりますから、人としての器も大きくなります。このようにさまざまな意味で「趣味」が人生に有益な時間を与えてくれることは間違いありません。私も生活に遣われる以外の人生の時間は、ほとんどは仕事に費やしています。真剣に何か生涯の趣味を探して見ようと思います。

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