第１３５１回　サードマン現象

　ネットニュースを読んでいたら「サードマン現象」について、長文の記事が書かれていました。「サードマン現象（別名：サードマン症候群）」とは、登山家や冒険家、或いは生死を左右するような不測の事態に遭遇した人が、霊のような目に見えない第３者の言葉や存在に導かれて、無事に生還できた現象のことです。記録を見ると、イギリスの冒険家「アーネスト・シャクルトン」が1914～1916年にかけて、南極に近い南大西洋の「サウスジョージア島」を横断した回想録の中で、形のない存在が、途中からこの冒険に加わったと書いています。しかも、旅の最後の行程では形のない存在はさらに２人増えて「３人いるように思われた」と記しています。さらに後にこの冒険に参加した別の隊員も、「その時は何も言わなかったが、この冒険の途中でシャクルトンと同じ感覚があった」と明かしたのです。

　このシャクルトンたちが体験した不思議な現象について、詩人の「T・S・エモット」が1922年に発表した「荒地」という詩の中で、「第３の人」という言葉を使ったことから、第３の人＝サードマンという呼び名が、この現象を指す際に広く使われるようになりました。そして近年でも登山家や極地探検家や単独の船乗り、沈没船の生存者などが、サードマンの導きにより、無事に生還できたことを報告しています。

　そして私が読んだ記事の中ではサードマンによって命を救われた数々の事例が載せられていました。たとえば生後４か月の娘の父親は、ある夜、突然「起きろ！」と叫ぶ女の声を聴きました。気にせずに寝ていると、さらにもう一度、その叫び声が響きました。別の部屋で寝ている妻が叫んだのかと思い、その部屋を覗くと、妻は娘と一緒に毛布にくるまってぐっすりと寝ています。しかし、よく見ると毛布は生後４か月の娘の頭に巻き付いていて苦悶の表情を浮かべていたのです。そして慌てて毛布を取ると娘は大きく呼吸を始めたのです。もし、このとき女の叫び声で起きていなかったら、娘は窒息していたのではないかと話しています。

　友人と一緒にスキーに出かけた３０代の男性は、リフトに乗っていた時に、スキー板の先端が交差して派手に転んでしまいました。痛みを我慢してホテルの部屋に戻りましたが、肋骨が折れているのではないかと思うほど、痛みは悪化してきました。そこでゲレンデにある診療所へ行ったところ、医師は「大したことないから湿布しておけば大丈夫」と言いました。しかし、診療所へ向かう途中、男性は「脾臓を救いなさい」という男の声を聴いていたのです。その声がどうしても気になったため、ホテルへ戻ると救急車を呼んでもらいました。そして３時間もかけて大きな病院へ行って検査してもらうと、医師は慌てた様子で「内出血しています。脾臓が破裂しています」そう叫んだのです。もし、ゲレンデの診療所の医師の言葉にしたがっていたら、間違いなく死んでいたのです。

　２８歳の時に帝王切開で出産した女性は、出産のときは陣痛が来るたびに心拍数が下がり続けて不安で泣き出してしまいました。しかし、この病院の産婦人科には、同年代の優しい女性看護師がいました。その看護師は高校時代にいじめを受けていた時に救ってくれた友人に似た人でした。出産のときも、手術室に入ってからずっと隣にいて手を握ってくれました。そして時折、抱きしめて麻酔の直前にはおでこにキスをしてくれました。そして麻酔が覚めると気づかないうちに手術は終わっていました。意識が戻ってそばにいた母親に「彼女はどこ？」と尋ねると、「そんな看護師はいなかった」と答えました。同じことを手術を担当した医師や他の看護師に聞いてみましたが、誰一人として彼女を見た人はいなかったのです。

　他にも目に見えない人の言葉や力に助けられて九死に一生を得た人たちがたくさんいました。私は“サードマンとは守護霊のことだ”と思っています。守護霊とは命を守ってくれるありがたい存在だからです。

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