第１３４３回　またシンクロニシティ

　先日、小学生の男の兄弟のいるお母さんから、“シンクロニシティ（＝同時性・共時性）について相談を受けました。シンクロニシティについては、このブログで何度も取り上げてきました。1950年3月１日にアメリカ、ネブラスカ州ベアトリスにあるウエストエンド・バプテスト教会のガス爆破事故では、聖歌隊のメンバー15人が、それぞれ別々の理由でこの日に限って遅刻をしたために、全員が難を逃れました。「ネブラスカの奇跡」と言われている出来事ですが、これがシンクロニシティによるものであることは、以前このブログでお話ししました。

　相談者によると、小学生の二人の息子さんは、幼児の頃から同じ場所を同じ時刻に怪我をすることが何度かあったと言います。お兄さんが帰宅途中に友達とふざけ合いながら、後ろを向いたまま前方へ走りました。走りながら首を前へ向けた瞬間にポストに顔が激突して、右側の頬骨を腫らして帰ってきました。同じ日に弟さんは、通学途中にある50段の長いコンクリート製の階段を走って駆け下りている最中に足がもつれて顔から転落しました。そして兄と同じように右頬骨を腫らして帰宅したのです。他にも楽しみにしていた夏休みの林間学校を兄弟そろって欠席したことがありました。兄は出発の前日に夏風邪をひいて熱を出しまいした。弟は前日に冷たいものを食べ過ぎて当日の朝はお腹を壊して腹痛で苦しんでいました。お母さんはこのシンクロニシティが“いつも悪いことで起きていること”を心配したのです。よく言えば元気いっぱいの子どもたちですが、注意力散漫でしばしばケガをするので、二人の子供に何かあっては大変です。そこで“子供たちの未来を見て何に注意したら良いのかを教えてほしい”と私に尋ねてきました。

　シンクロニシティについて私は、人間の「顕在意識」の底には「潜在意識」があって、さらにその底にすべての人間に共通する“共通認識の領域”があると考えています。その領域を「集合的無意識」とか「暗在系」などという人もいます。私が霊視をするときに皆さんとつながるのも、この領域を通してつながっていると思っています。それは一見すると“偶然の一致”のように思えますが、世界中にはシンクロニシティによって引き起こされる偶然が数多く溢れています。

　有名な話ではアメリカ合衆国第16代大統領「エイブラハム・リンカーン」と第35代大統領「ジョン・F・ケネディ」には多くの偶然の一致があります。二人ともに銃で背後から頭を撃たれて暗殺されました。その日は「感謝祭」と「イースター」というアメリカの祝日の直前の金曜日でした。その時、二人ともに妻を同伴していました。2人とも4人の子どもがいて、ケネディにはリンカーン、リンカーンにはジョンという名の秘書がいました。そして2人が暗殺された後、大統領を継いだのは、ともに「ジョンソン」という名の副大統領でした。

　アメリカでは以前、「パトリシア・アン・キャンベル」という二人の女性に同じ社会保障番号が与えられるというトラブルが起こりました。その原因はコンピュータのエラーによるものでしたが、共通点は「名前」と「社会保障番号」以外にも多くのありました。まずは「誕生日」です。他にも「父親の名前が二人ともにロバート」「1959年に軍人と結婚」「当時、19歳と21歳の二人の子供がいた」「職業がブックキーパー（商取引の記録を取る仕事）」「趣味が油絵」「専攻がコスメティック」とこれだけの共通点がありました。

　また、アメリカ・オハイオ州に生まれて、すぐに離れ離れになった双子は、お互いの存在を知らずに成長しました。しかし、養子となった先で付けられた名前はともに「ジェイムズ」でした。2人はともに警察官になり、「リンダ」という女性と結婚しました。2人には子供が出来て、付けた名前はともに「ジェイムズ・アラン」、飼った犬の名前はともに「トーイ」後に二人ともに離婚をしますが、再婚した女性の名前はともに「ベティー」だったのです。こんな偶然があるでしょうか。私はこういった出来事は、人間の共通認識の領域を通して、お互いのデータを共有したことによって起きたようにしか思えないのです。

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