第１３３５回　ポイントは波長（１）

　肉体には寿命があります。人は長生きしても、せいぜい100年ぐらいしか生きることはできません。魂に寿命はありません。魂は現世を生きていくために人の肉体を借ります。そこで100年の人生を経験して、肉体が活動をやめた時には、その体を抜けてあの世へ旅立ちます。そこでは現世を生きていた時の垢（あか）をすべて洗い流して、来世へ生まれ変わるための準備に入ります。そして次の体が決まると、その中へ入って来世へ生まれ変わります。魂はそうやって輪廻転生を繰り返しながら、千年、二千年と生き続けていくのです。

　その中で肉体が死んで魂が体を抜けているのに、すみやかにあの世へ上がらないことがあります。時代劇を見ていると理不尽な殺され方をした武士が死に際に「おのれ！末代まで祟ってやるぞ！」そういって息絶えるシーンがあります。こうやって体を出た魂は、自分を殺した相手に復讐するために、相手に災いを起こそうとします。しかし、霊の問題のポイントは“自分の霊的な波長と相手の霊的な波長がつながること”です。殺された武士は殺した武士をどれだけ呪っても、波長が離れていてはつながれません。すると殺された武士の魂は、現世にとどまって殺した武士の子どもが生まれてくるのを待ちます。その子供の波長が自分に近ければ、同調して一気に霊障を与えたいからです。しかし、その子供の霊的な波長も自分と離れていれば、やはりつながることはできないので何ら復讐することはできません。そうやって3代目、4代目と恨む武士の子孫を待ちながら、自分の波長に近い子孫が生まれた時に、一気に霊障を出して“子を絶やして”相手の家を断絶させようとします。また、つながれた子孫を操って、その家の財産を蕩尽させて家を荒廃させようとします。つまり恨みの相手方の子孫は、その恨みを受けることで大きく人生を歪められます。

　また、つながれる子孫を待っている間、あの世へ上がらない霊＝不浄霊はただ、宙を浮かんでいるよりも誰かに乗っている方が楽なので、恨みや因縁が何もなくても霊的波長が自分に近い人がいれば、その人に載ってきます。不浄霊に乗られた人は何ら悪いことをしていなくても、乗られたことによって霊障を受けます。それは恨む相手の子孫ほど強い霊障ではありませんが、体調を崩したり、仕事でミスばかり続けたり、試験では不合格になったりして、人生が上手く回らなくなります。

　そんな状態に陥ったとき、もっとも有効な解決方法は、人生を悪くさせている原因となっている“不浄霊”を祓うことです。不浄霊を祓うことを“除霊”といいます。除霊を行って元凶となっている不浄霊を祓えば、人生はおのずと好転していきます。不浄霊を祓った上で、その不浄霊をあの世まで押し上げることを”浄霊“と言って区別しています。単に波長が合って憑依してきた不浄霊は、除霊によって苦しい思いをさせれば、祓った後も舞い戻ってくることはめったにありません。しかし、祓った不浄霊は現世にとどまっています。そのため苦しい思いをさせて祓っても、理由があって（強い恨みや憎しみなど）憑依してきた不浄霊は、また戻ってきて憑依を繰り返します。そのため先祖の因縁など、理由があって憑依してきた霊には、”除霊“ではなく”浄霊“によって対処します。浄霊であの世へ上げた霊は、もう現世に戻ることはできません。あの世へ上がれば現世の執着も含めて、すべての記憶や感情は洗い流されます。ですからどれだけ深い因縁のある問題も浄霊によって解決できるのです。

　こんな除霊や浄霊ですが、それをどこまでスムーズに実行できるのか。そのポイントになるのがはやり”霊的な波長“になります。私と不浄霊や私と憑かれた人の霊的な波長が離れていると除霊もスムーズに行うことができません。先日行った遠隔除霊ではこの問題のために非常に苦労することになりました。（２）へ続く。

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