不浄霊とはあの世へ上がることのできない霊のことです。人間の本質は肉体ではなくて魂にあります。魂は現世を生きるために肉体を借りています。肉体は普通は100年も生きれば、機能を停止して死亡します。肉体が亡くなれば、魂は肉体を借りる理由が無くなりますので、肉体を離れて現世を漂います。肉体を出た魂のことを「霊」と呼んでいます。ほとんどの霊は、肉体を出た後、しばらくは現世に残って、生まれた場所から死んだ場所までを何度も辿ります。そして自分の人生を総括します。やがて自分が生きた時間がどのようなものだったのか、自分なりに答を出します。そして自分の人生に区切りを付けて、あの世へ上がります。あの世へ上がった霊(魂)は、生きていた時の記憶も意識も感情もすべてが消されてまっさらになります。そして次にまとう肉体が決まると、来世へ生まれ変わります。ただ、このときに前世や過去世で生きた時間の記憶や思いが潜在的な深いところに残されていることがときどきあります。このサイクルが魂が生き続けていく上での“定め”になります。ですから「あの世へ上がらずに子供の成長を見届けたい」とか、「愛する人を守り続けたい」とどれだけ思っても、魂は霊となり、やがてあの世へ上がり、そして来世へ生まれ変わるのです。魂はこのようにして輪廻転生を繰り返すことで半永久的に生き続けているのです。
ただし、誰かを強く憎み続けているとか、執拗に恨んでいるなど、強いネガティブな感情を持ったまま亡くなっているケース。或いは欲望を捨てられずに強く生(現世)に執着して、あの世へ上がることを拒否し続けているケース。さらには自分の人生に納得できずに人生を総括できないケースでは、その重たい思いが足かせとなってスムーズにあの世へ上がることができなくなります。その結果、霊は50年、100年と時間が経過してもあの世へ上がることができずに現世にとどまり続けます。その状態の霊のことを“不浄霊”と呼びます。
不浄霊は現世に残ってただ宙を漂うような状態よりも、自分の霊的な波長に合う誰かに載っている方が楽です。霊的な波長は生まれた時から死んだ後まで変わることはありません。そして指紋と同じように各人それぞれで異なりますから、不浄霊は自分の波長に合う人にしか載ることはできません。ですから霊の憑依を受ける際、そこに理由はありません。ご先祖の供養をしっかりと行い、人に優しく誠実に生きてきた人でも霊的な波長が合ってしまえば、それだけで不浄霊に憑依されることはあります。そして不浄霊に憑依されれば、それがどんな霊であれ、人生の足を引っ張られます。原因不明の病気で何十年も体調不良が続いたり、いつもタイミングが悪くて物事が成就しなくなったりします。良いと思った判断は裏目に出て、悪い流れはいつまで経っても変わることはないのです。そして家族でも友人でも同僚でも、自分の周りからどんどん人が離れていきます。それは自分でも気づかないうちに、他人に対して攻撃的になったり、相手の嫌がる言動をとることで敬遠されていくからです。しかしそれは自分で意識してやっていることではなく、憑依した不浄霊の影響で知らず知らずのうちにやらされているのです。そして最後には生きていることの意味が見いだせなくなったり、生きていることに疲れて、死の世界へ誘われることもあります。これらが不浄霊に憑かれたときの悪影響です。
ですから不浄霊に憑かれるということは、それ自体、良いことは何一つありません。そもそも不浄霊というものは、今お伝えしたように、強い恨みや憎しみ、或いは欲望に取り憑かれた“ネガティブの塊”のようなものです。ときどき「霊には良い霊はいないのですか?」と訊かれることがあります。死んでまだ時間の経っていない霊は、自分の人生を総括するためにしばらく現世にとどまります。その状態で現世にとどまっている霊は何ら問題はありません。ただし本来なら、もうあの世へ上がっても良い時期を過ぎているのに、現世にとどまっている不浄霊に“良い霊”は1体もいません。ネガティブの塊が、自分に載っていることを想像してみてください。それが自分にとって良くないことは、誰でも想像がつくことです。ですからこの質(たち)の悪い不浄霊は、すみやかに取り除かなければなりません。そのときに「除霊」或いは「浄霊」という方法を使うのです。ただ、ネガティブの塊のような不浄霊は、こちらでどれだけお願いしても憑いている人から抜けてはくれません。ですから「除霊」や「浄霊」ではおのずと不浄霊と戦ってこれらの霊を祓っていくことになるのです。(2)へ続く。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方