“迷惑老人”の増加は、日本特有の現象であるという専門家もいます。それは日本の会社では、長い間「終身雇用制」と「年功序列制」を取り入れていました。そのため会社の中では年を取るほど役職も給料も上がっていきます。老人は会社の中では高い肩書を持って過ごしてきましたから、周囲の人間から一目置かれて自分の意見が通用する環境の中で長く生きてきたのです。今、高齢者と言われる世代の人たちは、高度成長期から“仕事第一”の会社人間として生きてきた人が多いのです。そうなると人間関係=会社の人間関係になります。そこでは役職が確保されて周囲の人も気を遣ってくれます。その世界が当たり前でいた人が、退職して職を失った瞬間、誰もその人を讃えることも気を遣うこともなくなります。そのためその人の“承認欲求”は満たされずに、不満を抱えるようになります。その中で加齢によって認知機能は確実に低下していきますので、自分の感情を制御することが難しくなります。そして“迷惑老人”がどんどん生み出されていくのです。
経済的に困窮して生きるために万引きや窃盗を繰り返す迷惑老人も少なくはありません。ただ、会社の中で順調に出世コースを歩んだ元エリートの方が、他人に対して攻撃的な“キれやすい迷惑老人”になる傾向は強いのです。元エリートの迷惑老人は、仕事での成功体験がありますから、それにとらわれて他人の言うことを聞かず頑固になっている人が多いのです。その結果、本人に悪意はなく、善意や正義感から話しているつもりでも、それを聞かされる若者からすると、説教じみた話しかしない“面倒な老人”と思われることになります。
ある専門家によると、迷惑老人になる3大因子として「執着心」と「孤独感」と「自己顕示」を取り上げています。たとえば同じお店に毎日やってきては、店員に難癖をつけて帰る迷惑老人がいます。普通に考えたら、それほど不満のある店ならその店に行かなければよいのです。それも田舎で地域に1軒しかない“よろす屋”ならともかく、同じ業種のお店が近所に何軒もあるのに、その店に来て(或いはその店員を見つけて)文句を言って帰るのです。これは専門家が言うように、まさに“執着”が現れています。また、こういう迷惑行為を繰り返す老人は“孤独”を抱えている人が多いのも確かです。一人暮らしの老人はもちろんのこと、家族と一緒に暮らしていても、家族と上手くコミュニケーションを図ることができません。そして友人もいないため、家の中でも家の外でも単独で行動しています。そんな老人がお店にやってくると、最初は様子をうかがうように普通に接しているのですが、お店の落ち度を見つけたり、店員の言動に問題を見つけたとたんに態度は豹変します。そして1度、キレるともう自分でも歯止めは効きません。最後は問題が大きくなるまで感情のコントロールは利かなくなります。
そして「自己顕示」とは自分を目立たせるという意味です。自分を目立たせることで周囲の人から注目されたいとか、誉められたいということを言います。つまり、お店の中で他のお客さんがいる前で、わざと大声を張り上げたり、列に並んでいる人がいるのに、延々と店員に説教する自分の姿を見せつけて目立ちたいという思いの表れです。迷惑老人を作り出しているこれら3つの危険因子を無くすために、専門家は“断捨離”を勧めていました。人や物に対する執着を捨て、目立とうとか注目を浴びようとする自己顕示欲を捨てて、家族や社会と良好な人間関係を築いていくこと。そしてウォーキングなど軽い運動を続けることで血流の流れを良くして脳の機能低下を防ぐこと。これが迷惑老人にならないために必要なことだと話していました。
私は今も浄霊を実行中ですが、現世にとどまってあの世へ上がりたがらない不浄霊は、例外なく強い執着を持っています。その執着は本来なら永遠に生き続けることができる輪廻転生のサイクルから外れて、魂を霧散させてしまう元凶になっています。私もこの記事を読んで自分が迷惑老人にならないように「執着を捨てること」「孤独にならずに良い人間関係を作ること」「自己顕示欲に振り回されないこと」を肝に銘じていこうと思いました。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方