第１２７０回　浮気と不倫（１）

　私には恋愛に関する相談もしばしば寄せられます。私には「病気の相談」も「人間関係の相談」も「仕事の相談」も「お金の相談」も寄せられています。他には「霊障の相談」や「スピリチュアルに関する相談」ももちろん送られてきます。たとえば私に数多くの相談が寄せられて回答をお待たせしているときに、「何とか早くお答え願えませんか？」と相談者が焦っているケースは「恋愛の相談」が最も多いのです。また、私の回答が本人が望む答えでなかったときに、「どうしてですか？」「私にはそうは思えないのですが…」と、私の回答を認めずに喰いついてくるようなケースも「恋愛に関する問題」が一番多いのです。その理由を考えた時に、１：恋愛は人の心を大きく揺さぶり、大きな喜びや堪えがたい苦痛を与えるものであること。２：恋愛の延長線には、結婚や出産など人生を大きく変えるものがあること。３：恋愛は性欲も含めて人の本質的な欲望が絡んでいるものであること。これらのことが強く影響していると思います。

　「浮気」や「不倫」を考える時、まずそれがいかなるものをいうのかをはっきりさせなくてはなりません。「不倫」は「浮気」よりも分かりやすく、自分が既婚者であるとか、相手が既婚者であるとか、お互いに既婚者であるときに、自分の配偶者以外の相手と肉体関係を含む交際をすることを言います。それに対して「浮気」は特定のパートナーがいるにもかかわらず、他の異性（或いは同性）に関心を示すことをいいます。つまり、何を持って浮気とするのか、その線引きは人それぞれですが、もし相手との間に肉体関係が無くてもパートナーがいながら、他の異性に関心を持って積極的に接触を持とうとすれば、それはパートナー（配偶者・恋人）から見れば「浮気」になります。

　私に「浮気」や「不倫」の相談が寄せられたとき、私は純粋に２人の未来に何が待っているのかを霊視して答えます。一般的には「浮気」も「不倫」もパートナーを裏切るものですからその行為を持って「悪」と断罪することは簡単です。人を裏切ること、そして人を悲しませたり傷つけていながら、自分たちだけ幸せになることはできないと考える人は多くいます。それはとても常識的で正しい考え方だと思います。ただ、人を好きになるのは、人の感情のなせることです。そして人の感情はそもそも理性ではコントロールできないものです。もし、人間が感情を理性でコントロールできるなら、世の中から浮気も事件も戦争も無くなっているはずです。これらのことが人類の歴史が始まったときから今現在まで続いて決して無くならないのは、そもそも人間は感情や本能を理性でコントロールすることのできない生き物だからです。

　私の周囲にも「絶対に浮気はしない」と断言している人はいます。「既婚者の自分が浮気をすることは、自分の配偶者を裏切り、傷つけることだからそのようなことは絶対にしない」と言い切っています。一方で逆に「生涯、浮気をしない男性はいない」と言い切る人もいます。どちらが正しいのかを考えた時に、私の周りで浮気をしない男性は、残念ながら自分の意思でそうしないのではなく、浮気をするチャンスやきっかけのない人たちがほとんどなのです。もし、自分のタイプの女性が自分の手の届く距離にいるときに、多くの男性はその気持ちを押しとどめることはできなくなります。ですから社会的に信用がある医者や弁護士や警察官や大学教授が、一時の感情に流されて不倫をしたりセクハラをして今まで築き上げてきた信用を失う事件は後を絶たないのです。これらの状況を見るにつけ、人間にとって感情を理性で制御することは「本当に難しいものだ」と考えさせられます。（２）へ続く。

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