文字通り、死に臨んでの体験のことを“臨死体験”と言います。過去の調査によると、心停止の状態から蘇生した人のうち、4%~18%の人が臨死体験という特異な体験をしています。具体的には、死亡宣告をした医師の声が聞こえたり、病室内やベッドに横たわっている自分の様子が見えた(=意識が覚醒している)というケース。心停止した後で言いようのない心の安らぎや安ど感を感じたというケース。心停止後に、虫の羽音のような“ブーン”という耳障りな音が聞こえたというケース。心停止後に、暗い筒状のトンネルのような中を通ったというケース。心停止後に、すでに亡くなっている家族や親族・知人と再会したというケース。心停止後に眩しい光が見えたり、光を浴びたケース。心停止後に過去の自分の人生が走馬灯のように見えたというケース。心停止後に三途の川のように、現実の世界と死後の世界の境界が見えたというケーなど、具体的な内容は人それぞれで異なるものの、通常ではあり得ない”神秘体験“をしている人が何人もいるのです。そして臨死体験をしてから、幽霊が見えるようになったとか、未来を感じ取れるようになったとか、霊体験をするようになったという人が何人もいます。
それは私から見ると、非常に理にかなったことです。臨死体験というのは、言い方を変えると、生と死の狭間にあって、短時間でも生死の境界を越えて死の世界へ踏み込んで蘇生したことになります。どのような生物でも生死の狭間にある時は、自分の持っているすべての力を発揮して命をつなごうとします。それは私たちが意識して心臓を動かしていないことと同じで、特に自分で「頑張ろう」と努力をしなくても、無意識のうちに命をつなぐための回路は開かれます。
そもそも霊的なセンス(能力)は、すべての人間に備わっています。狩猟時代に村の男たちは、皆で力を合わせて狩りへ出かけて、捕らえた獲物を村へ持ち帰りました。その獲物を皆で分け合って食べることで命をつないできたのです。しかし、考えてみてください。太古の昔には魚群探知機もレーダーもありません。また今のように、動物の群れの居場所についてのデータも無かったでしょう。そのとき狩りへ向かう場所がもし間違えていれば、男たちは獲物を村に持ち帰ることはできません。それは村が絶滅することを意味します。そうならないように神に祈りを捧げたり、巫女の託宣を聞いて、狩猟へ向かう場所を決めていたのです。それは村人個人についても言えることです。まだ人間が農耕という手段を知らなかったときは、個人でも動物や魚を捕まえて生きていました。そのときに人は自分の持っているセンス(霊感や直感)を頼りに生きていました。もし、そのセンスが無ければ命をつなぐことはできませんでした。つまり、言い換えると、太古の昔はすべての人にスピリチュアルなセンス(霊感や直感)は備わっていたのです。
ただ昔、人は二足歩行ができるようになったときに、必要のない“尻尾”は退化して無くなりました。それと同じように狩猟時代から農耕時代になり、ついには産業革命以降に、大量生産・大量消費の時代を迎えると、人が生きることに霊的なセンス(霊感や直感)は必要が無くなってきました。霊感や直感よりも、科学的なデータや知識、積み重ねてきた経験値に基づいて選択・判断をした方が正答率が高いことを誰もが分かってきたのです。そして生きることに必要の無くなってきた霊的なセンスは、次第に蓋がされて体の中に眠ったまま取り残されていったのです。それが現代を生きる多くの人たちの状態です。
ただ、生死の境に直面して、生物として命をつなごうとしたときに、生き物は自分の持っているすべての能力を発揮します。その際に臨死体験によって閉じていた蓋が開いてしまったのです。人が本来持ち合わせている能力の1つである霊的なセンスも、命をつなぐために全開になったのです。ですから臨死体験をしたあとに、「霊的なものが見えるようになった」ということが起きたのです。(2)へ続く。
【2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方