第１２６２回　仲の悪い家族

親子や兄弟・姉妹という家族関係は、比較的仲の良い方が多いです。それは“家族”という血のつながりがあるから仲が良いのではなく、血のつながりのある関係は、霊的波長も近いことが多いので仲が良いのです。私はしばしば「霊的波長」という言葉を遣います。たとえば不浄霊に憑依されるとか、霊障を受ける時、それは一言で言えば“霊的波長が近いこと”が理由になります。霊的波長は指紋と同じように各人で異なります。霊的波長とはその人だけが持っている“周波数”のようなものです。ラジオのチューニングがピッタリと合うとクリアな音が聞こえてきます。少しずれていると雑音の混じった音が聞こえます。チューニングが合わなければ、ラジオの音は全く聞こえません。それと同じように自分と不浄霊の霊的波長がピッタリと合えば、きれいにつながれますので憑依されたり、霊障を受けることになります。波長が合わなければ、自分の隣に不浄霊がいてもつながることが出来ませんから、まったく影響は受けません。霊の問題というと何かの“因縁や理由”と結びつける人がいます。たとえば先祖が人に恨まれることをしていたとか、先祖供養ができていないとか、あなたが過去世で悪事を働いていた等です。こういった因縁や理由があって霊の影響を受けることは確かにあります。そういうケースは強く出ることがほとんどです。ただし、霊の問題は霊的波長がつながることによって引き起こされますから、何も因縁や理由も無くても波長が合えば霊に憑依されることになります。事実、私は他人から恨まれることもなく、人として誠実に正しく生きていて、先祖供養もしっかりと行っているのにひどい霊障で苦しめられている方を何人も知っています。もし、因縁や理由があって霊に人生の足を引っ張られているとするなら、霊の影響を受けている人は自分や先祖が何か悪いことをしてきたことになります。しかし、そういうケースの方がむしろ少ないのです。

そして霊的な波長はその人の“感じ方”を司ります。考え方ではなくて“感じ方”です。人の考え方は自分で意識することで変えることもできますし、時間の経過と共に変わっていくものです。いつも消極的で引っ込み思案だった人が、自分で意識することで積極派人間に代わることは可能です。しかし、感じ方は変えることが出来ません。自分が大嫌いの人のことを、どれだけお世話になったとしても、感謝はしても好きになることはできません。味覚もそうです。嫌いな食べ物は努力をしても好きなることはできません。つまり考え方は変えることが出来ますが、感じ方は変えることはできないのです。

　家族は血のつながりがあることで、波長が近いケースが多いので感じ方が似ている＝気が合う＝仲良く暮らすことが出来るのです。ですから家族でも波長の離れた人がいると、親子でも兄弟でも仲良くすることはできません。霊的な波長は生まれてから死んだ後まで変わることがありませんのでこれは根本的な問題です。つまり、波長の離れた人間が、一つ屋根の下で一緒に生活することになれば、その確執は深まり、お互いの溝は大きくなるばかりです。子供のころから気の合わない親子や兄弟が、大人になるまで２０年も一軒の家で暮らしていけば、そこに残るのは“憎しみ・恨み・嫉妬”などの強い負の感情になります。ですから世の中にはまれに、他人以上に“仲の悪い家族”がいます。

　私も家族とはまさに考え方が真逆で、私の両親は目に見えない世界をまったく信じない人でした。ですから物心ついたときから、目に見えない世界ばかりを感じていた私とは、まったく馬は合いません。私は兄も含めて子供のころから家族とのつながりはありません。私以外にも、母親とまったく気の合わない娘は、子供のころから母親にうとまれて、とうとう高校を退学させられました。それは経済的には何ら問題が無いのに、母親が娘の高校の授業料の支払いを突然ストップしたからです。その人は仕方なく高校を中退して家を出て、寮のある会社へ働きに出ました。他にも仲の悪い姉妹の妹は、中学生のころから姉の彼氏に色仕掛けで近づいて、奪い取ったり仲たがいさせたりを繰り返してきました。そして３０歳になった姉は、一人暮らしをして婚約者もいます。姉は今でも妹と一切連絡を取りませんし、母親に自分の家の住所や勤め先を絶対に妹に言わないように念を押しています。ですから霊的波長の離れた親子・兄弟関係の人には、「お互いに仲良くなれる可能性はこれからもありませんから、せめてこれ以上溝を深めないために、二人の距離を置いてください。用事のある時だけ、必要最小限のコミュニケーションで付き合ってください」と話しています。

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