第１２４９回　運気を上げる（２）

　この社長が言うように運気は良い運気も悪い運気も感染しますから、ツイている人に囲まれていれば、自分もまた運気が良くなることは間違いありません。ただここで注意しなければならないことがあります。それはそもそも運気は永遠に続くものではなくて、何かのきっかけで簡単に替わることがあるのです。今までずっとツイていた人が、何かのきっかけでいきなり坂道を転げ落ちることもあれば、ずっと不運な人生を歩んでいた人が、きっかけ一つで急に運が巡ってくることもあるのです。

　「カジノ」のゲーム「バカラ」は、ディーラーが「プレイヤー」という場と、「バンカー」という場にトランプカードを２～３枚配ります。その下一桁の数字を足して、どちらの「場」が９に近くなるのかを予想します。お客さんは下一桁の数字が大きいと思う方の「場」にお金を賭けます。そして的中すれば、ほぼ倍になって戻ってきます。つまり細かなルールはありますが、勝率はほぼ２分の１になります。このバカラの必勝法に“ツイてない人の逆に張る”というものがあります。このゲームでは勝率は２分の１なのに、１０回連続で予想を外すお客さんもいれば、１０回連続で予想を的中するお客さんもいます。この必勝法のポイントは“ツイている人の予想に乗るのではなく、ツイていない人の逆に張る”という点です。ツイている人のツキはちょっとしたことで簡単に悪くなります。しかしツイていない人の不運は、簡単には変わらずに長く続いていくからです。ですからツイている人に乗るのではなくて、ツイていない人の逆に張るのです。これは時代劇に出てくる〝丁半博打“（サイコロを２つ振って足した数字が偶数か奇数かを予想するもの）、或いはFX（外国為替証拠金取引：２つの通貨の組み合わせの相場が上がるのか下がるのかを予想する投資）など、勝率が２分の１に近い、ギャンブルや投資では常に有効な考え方です。悩んだ時にはツイていなそうな人に尋ねて、その逆を選択することが有効だとする考え方です。

　また、ツイている人の運気をもらうために、その人との出会いをただ待っているだけでなく、もっと積極的にツキをもらう方法があります。以前、悪い流れを良い流れへ転換できると、良い流れはさらに強くなって続いていくとお伝えしたことがあります。一例として、不幸にして交通事故に遭って入院して、入院先の病院で看護師さんと知り合って、結婚して幸せな家庭を築いた人の話を紹介しました。

　人間は誰でも多面性があります。一見、聖人君子のように見える人でも、実は心にどす黒い闇を抱えている人はいます。逆にどうしようもない悪人でも、心の中で誰かを大切に思う優しさを抱えている人もいます。人間は誰でもさまざまな面を持っています。そして私たちは、意識的にも無意識のうちには、その人の持つ多面性の中から、その人の一面を自分の前に引き出しています。お酒を飲むといつもお店で暴れて“出入り禁止”になっている町の“鼻つまみ者”がいます。しかし、よく調べてみると、酒癖の悪いこの男でも、おとなしく問題を起こさずにお酒を飲んでいる店もあります。それはその店の経営者が、この男の良い面を引き出して、悪い面のスイッチを押させないようにしているからです。経営者はヤクザのような強面でも、格闘家のような筋肉質でもありません。見た目の怖さではなく、そのポイントをわかっているのです。そして元々は、迷惑をかける可能性の高い人が、良い人になって行ったとします。するとこの人は自分の隣の悪い人を良い人へ転換したことになります。それは交通事故に遭った不運を、生涯の伴侶との出会いという最高の幸運へ替えた人と同様に、長く良い運気を自分にもたらすのです。自分の周囲に運気の良い人が一人増えるからです。ですから「今、自分はツイていない」と思っている人。「自分は周りの誰からも理解されない」と孤独を感じている人。今は苦しみの渦中でもがいているかもしれません。でも、このトンネルを何とか抜けることが出来れば、そのあとは人生の流れが大きく逆転して、幸せが長く訪れる可能性は十分にあるのです。決してあきらめないでください。ピンチの今こそチャンスになるのです。

【２０２２年９月１日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店（アマゾン・楽天など）で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。