第１２４０回　因果応報（３）

　お店を閉めた後、この人はふさぎ込んで、何をするでもなくアパートの狭い部屋の中で一日中お酒を飲みながら過ごしていました。そしてお金が無くなれば、生きていくために工事現場の肉体労働でも“ぼったくりバーの呼び込み”でも、できる仕事をやって生きていました。繁華街で違法な飲食店でアルバイトをしていた時、しばしば立ち寄ったラーメン屋が近くにありました。何度も通ううちに、そこの主人とは次第に顔見知りになりました。あるとき、いつもならご主人の他に二人いる若い従業員がお休みで、主人が一人で“てんてこ舞い”でお店を回していました。

「大将！今日は若いお兄ちゃんはどうしたの？一人じゃ大変だろ」

この人は何気なくそんな言葉をかけました。

「………知らねえよ、ストライキだろ！うちは仕事もきついし給料も安いからな」

主人は吐き捨てるようにそう答えました。

「じゃあ、オレが手伝ってやろうか？これでも一応、飲食店で働いてんだからよ、誰もいねえよりは役に立つだろ」

本当に何気なく言った一言でした。そしてこの人はそれから３年の間このお店で働いて、ラーメンの作り方を覚え、経営のノウハウも学んだのです。そして働いているうちに「また自分のお店を持ちたい」いう目標ができました。それからは身を入れて仕事に取組み、お金をためてさらに３年が経ちました。そして今やっと次の夢がかなうところまで来ました。

「シュンさん、私はおいしいラーメンを出すお店で６年間働きました。そして仕事のノウハウを覚え、その店のご主人からも応援してもらい、“のれん分け”という形で自分のお店を出そうと思っています。ただ、私は以前、自分で出したお店をわずか半年持たずにつぶしています。そのときにすべては自分で招いたことですが、さまざまな因縁を抱えていることがよく分かりました。ですからこの因縁が消えない限り、今回独立しても、また前と同じようにさまざまな妨害が入って上手くいかなくなるのではないかと心配しています。私は今回、独立して上手くいくのでしょうか？そして私に取り憑いている因縁は、今どうなっているのでしょうか？それをシュンさんに見てもらいたいのです」

　この人はそう言って私に霊視鑑定を依頼してきたのです。私はこの人の未来を霊視してみました。

「まず、あなたはお店のオープンにはこぎつけています。大きなお店ではありません。カウンターとテーブル席合わせて１０数人で一杯のお店です。あなたはそこで男性店員と女性アルバイトを雇って、店主として働いています。その様子はしっかりと感じられますから、お店をオープンしたいというあなたの目標は達成されることになります」

　私は力強くそう答えました。するとこの人は意を決したように、

「それでシュンさん、そのお店はどうですか？きちんと維持できていますか？お客さんは入っていますか？私が作り出した悪因は償却できているのでしょうか？」

この人は少し緊張したように本題に入って来ました。私はハッキリと答えました。（４）へ続く。

※現在、YouTubeチャンネルの更新が止まっています。まだ、猛暑が続いているため、なかなか”パワースポット巡り”に出かける気持ちになれません。もうすぐ１０月になりますが、まだ関東でも残暑が続いています。もう少し涼しくなりましたら再開いたします。もうしばらくお時間をいただきますようお願い申し上げます。

【２０２２年９月１日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店（アマゾン・楽天など）で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。