第１１７２回　目線を変えて（１）

勉強でもスポーツでも仕事でも、頑張っていても壁を突破できないことがあります。物事に一生懸命に取り組む“頑張り屋さん”ほど、壁にぶつかったときにそれを何とか乗り越えようと、気力・体力を振り絞ります。しかしいつまでも歯を食いしばって頑張り続けても、その壁を突破することが出来ないでいると、人は最後には心が折れて、頑張る意欲を失ってしまいます。出口が見つからずに頭を抱えるような状況になったとき。職場の中で孤立して、常に自分を否定され続けているとき。そんな苦しい状況に追い込まれると、思考はどうやってそれを乗り越えたらよいのか、そのことだけに縛られて視野は狭くなります。そんな時は、ちょっと視点を変えてみるといくつもの選択肢があることに気づきます。全力突破ばかりを考えずに、問題の全体像を見つめて目線を少し横にずらしてください。するとそこには今まで見えなかったドアがあり、そのドアを開けて中に入ると、今までとは違った展開が待っていることがあります。

　以前、「バイクショップ」を経営している人から、「売り上げがじり貧でこのままではお店をたたまなければいけなくなる」と相談を受けました。経営者は毎月“セール”を行ったり、お客さんを紹介した人に割引券を渡したりして、販促に努めてきました。しかし、このお店は、人里離れた山の中の“峠道”にあります。市街地にあるお店のように、黙っていてもお客さんが店にやってくることはありません。古いお客さんからときどき依頼されるバイクや自転車の修理代が主な収入源になっているような状態でした。新車・中古車はもちろん、さまざまな“パーツ”を展示してもほとんど売れないので、このままでは廃業することは明らかでした。そこで私に相談してきたのです。

　私はこの人に話しました。

「確かにこのお店は人通りのあまりない峠道にありますから、普通にお客さんを待っていたのではつぶれるのは時間の問題です。あなたは今、どうやったらバイクやパーツが売れるのか、そのことで頭がいっぱいになっています。でも、商品を売るには、まずはバイクに興味のある人がお店にやってこなければ、売れません。ですからバイクが好きな人がこのお店に集まるような受け皿を作ってください。バイクの好きな人がたくさん訪れるようになれば、おのずとお店の商品だって売れていくはずです」

　このお店は確かに市街地から離れた場所にあります。しかし、峠道を走る“走り屋”のライダーが、しばしばお店の前をスピードを上げて通り過ぎていました。これらのライダーは他県からもやってきて、この峠道を楽しんでいます。彼らをお店に呼び込むことが出来れば、きっと売り上げも上がって行くと感じました。私は経営者に、

　「お店の周囲には空いている土地が広くあります。手作りで良いのでバイクや車の駐車スペースを作ってください。そしてトイレを用意して、お店の前には飲み物の自販機と長椅子を並べてください。そして、“トイレ・休憩歓迎”ののぼりを道に出して、訪れた人にはサービスでお茶を入れてあげてください。これでここまで走ってきて、トイレに行きたい人や喉の乾いたライダーがちょくちょくお店にやってくるようになります。そしてバイク好きが集まれば、新車をすぐには買えなくても、パーツを買ったり、修理を依頼する人も増えてきます。そしてこの店が峠を走るライダーの休憩場所（待ち合わせ場所）になれば、ライダーの心情的にも、お世話になったお店で買い物をするようになっていくでしょう」

　つまり、売り上げを上げるために特売日を作ったり、キャンペーンを行うことも良いのですが、ただ直接、売り上げアップを目指すのではなく、その前に“このお店をバイク好きが集まる場所”にすることで、売り上げはおのずと上がって行くのです。（２）へ続く。

【２０２２年９月１日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店（アマゾン・楽天など）で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

　書店に在庫が無い場合は、書店を通して取り寄せいただければ入手できます。また、書店での本の取り寄せ方が良く分からない方は、送料（１８０円）を加えて、１８３０円を「住信SBIネット銀行　法人第一支店　普通口座　１０９７８２８　株式会社マルス」までお振込みください。当社から、シュンさんのサイン入りで郵送いたします。シュンさんの自筆サイン、運気アップにつながっているようです。お申し込みの際は郵送先の宛名・郵便番号・住所をメールでホームページに記載した問い合わせ先アドレスまでお知らせください】