第１１６２回　呼ばれること

　私は、ここ１０年ぐらいは安定していますが、以前はよく突然意識が飛んで、まったく離れた場所で気が付くことが何度もありました。気づいた場所は電車を何度か乗り換えていたり、１時間以上も道路を歩いたところにもありました。また、携帯電話が無いことに気づいて、自分の携帯へ電話をかけたところ、まったく知らない町の知らない飲食店につながり、そのお店に忘れていたこともありました。自分では記憶にないのですが、私はちゃんと切符を買って、ホームを歩いて電車に乗り、道路の歩道を歩いてその場所まで辿り着いていたのです。そしてお店の中ではちゃんと注文をして、お金を支払って外へ出ていたのです。これは自分では記憶にありませんが、生活習慣として身に付いていることなので、無意識のうちにそのように行動していたのです。

　ただ、私が無意識のうちにやってきた場所は、私と無縁なところではありません。私の前世を感じさせる場所であったり、１か月前に行方不明者の捜索で訪れた場所であったり、除霊で祓った魂が生前に住んでいた町であったりするのです。私の頭の中では、すでに終わった仕事の関係先をいつまでも覚えていることはありません。しかし、何か強烈な印象を残していたり、私に深く関係している場所のことは、記憶には無くても意識の底にしっかりと刻み込まれています。そしてそこにいる魂が私を呼んでいるのです。その結果、私が霊的に過敏になって、意識が飛んだ時に、私は無意識だからこそ、そこに引き寄せられてきます。覚醒しているとき。自分の脳がしっかりと働いているときは、その時に五感で感じているものや、考えている諸々のことが邪魔をして、呼ばれていてもその声に気が付かないのです。

　不浄霊に呼ばれて命を失うような危険なケースがあります。たとえば山奥の深い谷の上にかかる“橋”が飛び降り自殺の名所となって、心霊サイトなどで紹介されています。同じビルの屋上から何人もの人が飛び降りていることがあります。以前このサイトでも触れましたが、ある廃神社の境内に立つ１本の木は、私が知るだけでも３人の人がロープをかけて亡くなっています。このように同じ場所で何人もの人たちが命を絶っているようなケースでは、その場所にとどまっている不浄霊に呼ばれていることが良くあります。そしてその場所に近づいて行く自殺者を、もし監視映像が捕らえているとすれば、間違いなく“夢遊病者”のようにフラフラと歩いています。それはその場所に呼ばれているときは、脳が活動していない眠っているような状態で、不浄霊とつながっているからです。睡眠中に３人の若い女性が、近所の公園にある遊具にロープをかけて自殺していたときも、眠っているときに不浄霊とつながり、その霊に導かれてその公園までやってきています。ですから私は、仕事でこのような危険な場所に行かなければならないときは、努めて意識をしっかりと持つように注意しています。少しでも眠気が差すような状態になったときは、自分の顔を叩いても、自分の足を思いっきりつねってでも目を見開いて眠気を覚ませます。

　皆さんも道路の脇に“事故多発現場”と看板が立てられていたり、道端に花が供えられているような場所に来たときは、気持ちを強く持って、しっかりと覚醒してください。そこで亡くなられた方の成仏を願う気持ちは大切ですが、何よりも自分自身を守ることを優先してください。眠気が差すようなボーっとしている時間は、不浄霊とガッチリとつながりやすい時間なのです。

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