人が信じるものは、人によって様々です。普通に考えれば、忌み嫌ったり、恐れを抱くようなものでもそれを信仰する人はいます。「日本三大怨霊」とは、「平将門」「菅原道真」「崇徳天皇(崇徳院)」を差します。三大怨霊と言われるぐらいですから、この三人は多くの人々から恐れられていました。しかし、同時に怨霊であるこの三人は、神社の祭神となって信仰の対象にもなっているのです。
私が最初にそのことに気づいたのは、東京都千代田区大手町にある「将門塚」を見た時です。これはその名の通り、平将門の首を祀る塚のことです。この付近一帯は、江戸時代には姫路藩の上屋敷の敷地になっていましたが、関東大震災や太平洋戦争で被災した後、再開発のため何度も移転や取り壊しが検討されてきました。それはこの場所が皇居にも東京駅にも近い、都心の一等地だったからです。ですから当然のごとく周囲はオフィスビルが並んでいます。その中にポツンと「塚=墓」があるのはかなり異質な光景です。しかもその墓は日本三大怨霊と言われた人物の墓です。さらにこの塚は、移転や取り壊しが検討されるたびに、事故や担当者の不慮の死などがあって、計画がとん挫してきたのです。そんないわくのある「将門塚」ですが、ふと覗いてみると、とてもきれいに掃除が行き届き、花も供えられていました。私は昔、この近くの会社に勤めていたことがありましたので、「将門塚」はしばしば目にしていました。しかし、いつ見てもきれいに管理されているのです。この状況をみれば、毎日、掃除をしたりお花を手向けている人がいることは明らかです。私は「どうして怨霊と呼ばれている人物の墓に手を合わせる人がいるのか」不思議でなりませんでした。そこで調べてみると、平将門は死後、「御首神社」「築土神社」「国王神社」などに祭神として祀られて、信仰の対象になっていたのです。東京都千代田区にある有名な「神田明神」でも、祭神は、大洗磯前神社と同じ「大己貴命(おおなむちのみこと)=縁結びの神様」「少彦名命(すくなひとのみこと)=商売繁盛の神様」とともに「平将門命(たいらのまさかどのみこと)=除災厄除の神様」として3神が祀られているのです。940年2月14日、「承平天慶の乱」で朝敵として討ち取られ、首は京都へ運ばれて、日本で最初の“晒し首”とされた平将門は、今では祭神となって信仰の対象となっていたのです。この状況を見て、私はまさに「光と影が表裏一体となっている」と感じてしまうのです。
それでは他の「日本三大怨霊」はどうか。「菅原道真」が天満宮や天神社の祭神となっているのは有名です。「太宰府天満宮」や「亀戸天神社」など、天満宮・天神社は、全国に数多くあります。そして生きていたときに、とても優秀な学者・政治家・貴族として活躍した菅原道真を祀ることで、たくさんの人から“学問の神”“受験の神”として親しまれています。菅原道真は、845年(平安時代)に生まれ、宇多天皇に重用されました。そして次の醍醐天皇の時代には、右大臣まで上り詰めました。しかし、901年、「昌泰の変(しょうたいのへん)」が起こり、左大臣「藤原時平」の讒言により、醍醐天皇は、“謀判を計画した罪”で、忠臣だった道真を太宰府へ左遷してしまいました。そして道真の子どもや親族たちも流刑に処されてしまったのです。そして道真は、生涯、太宰府から出ることはなく、失意のままこの地で亡くなりました。そして菅原道真の死後、平安京では落雷や大火、疫病など、天変地異が相次ぎました。そして、大納言の「藤原清貴」をはじめ、道真の左遷に関わった者たちは相次いで亡くなりました。そこでこれらの出来事は、“菅原道真の怨霊の仕業だ”と考えられ、恐れられたのです。そこで朝廷は、道真の怒りを鎮めようとして、神社の建立や改修を行いました。このようにして“怨霊”と恐れられた「菅原道真」も、神として信仰の対象に代わったのです。(3)へ続く。
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■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
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■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方