第１１０３回　世界最大の飛行機

霊的なもの（霊や念）の力は人だけでなく物にも及ぶことは、私はこのサイトで何度も書いてきました。そして特に家電製品や精密機械類は、霊的なものの影響を受けて、しばしば誤作動することも事例を挙げてお伝えしてきました。先日、その象徴的な出来事がありましたのでご紹介したいと思います。

ウクライナのアントノフ設計局がソ連時代に製造した「アントノフAn-225“ムリア”」が世界最大の飛行機です。この飛行機の大きさは全長８４ｍ、全幅８８・７４ｍ、最大離陸重量は６４０ｔになります。この飛行機は片翼に３発ずつ（計６発）のエンジンを搭載しています。機体を支える車輪は３２個もあって、その姿は一見すると“ムカデ”のようです。この飛行機は2機生産されましたが、1機は未完成まま生産がストップしていますので、1機のみが現存していました。初飛行は1988年12月21日。この飛行機は元々は、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を胴体の上に積んで空輸する目的で開発されました。それがさまざまな紆余曲折を経て、アントノフ航空で貨物機として運用されることになりました。日本にも2020年6月3日に中国・天津からカナダへ医薬品を空輸する途中で、給油のために中部国際空港に立ち寄ったほか、何度か訪れています。そしてこの飛行機の記録には最後に、

２022年2月25日“退役”と記載されています。2022年2月25日はすでにロシアによるウクライナ侵攻が始まっています。つまり、この飛行機は正確にはこの日、ロシアによるミサイル攻撃を受けて破壊されてしまったのです。

　奇妙な出来事が起こったのは、「ムリヤ」が破壊された後の3月11日です。この日、世界中で稼働している航空機の動きをリアルタイムで追いかけることのできる航空機追跡サイト「フライトレーダー２４」に突然、破壊されたはずのAn―２２５「ムリヤ」の機影が出現したのです。サイト上では、ウクライナの首都「キエフ」近郊の上空４５００フィート（１３７１ｍ）を「ムリア」の機影が円を描くように飛行していたのです。そのときこの機影の便名を示す「コールサイン」には、「FCKPUTIN」と表示されていたのです。日本語で言えば「憎き、プーチンめ！」と言った意味になります。この航跡を見た世界中の航空ファンから「これはムリヤの亡霊ではないか？」とか「ムリヤの怨念だろう！」と言った声が上がって、一時は大きな話題になりました。今はこの痕跡は消されて、この事象について、サイト側も何らコメントは出していないため、詳細は不明となっています。

　ちょうどこのころウクライナでは「キエフの幽霊」という架空のヒーローが話題になっていました。それはロシアのウクライナ侵攻後に、一人のウクライナ空軍パイロットが、侵攻後初日の30時間で、ロシアのSu-35戦闘機2機、Su-25攻撃機2機、Su-27戦闘機1機、MiG―２９戦闘機1機を撃墜したというのです。最初は名前が公表されなかったため、このパイロットは「キエフの幽霊」と呼ばれていました。その後、ウクライナの前大統領が、このパイロットの写真をSNS上に公開し、ウクライナ国防相やヨーロッパ各国の大使もこの話を肯定しました。そしてウクライナ国防省は「キエフの幽霊」の動画をSNSに投稿したところ、この動画は500万回も再生されたのです。現在では「キエフの幽霊」は、事実ではなく、ウクライナ国民の戦意高揚を煽るプロパガンダであることが分かっています。ただ、この時は航空機追跡サイトに破壊されたはずの「ムリヤ」の航跡が表示されたことで、航空ファンの間では、「これはまさにキエフの幽霊ではないか」と言われることになったのです。

　どうして映るはずのない機影が表示されたのか。これが人為的に何かの意図を持って行われたのか、偶然の出来事だったのかも含めて謎は深まるばかりです。ただ、長い時間とたくさんに人たちの労力を結集して作られた世界最大の航空機「ムリエ」には、それだけ多くの人の思いが込められています。その思いは機体が破壊されたとしても消えることはありません。私にはその無念の思いがサイトの精密機器を誤作動させたように思えてならないのです。

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