以前、霊視鑑定が終わった後に、不意に尋ねられたことがあります。
「うちでは両親が“六曜”をとても気にしています。私もそのせいで、子供のころから“仏滅”の日は何か慎重になったり、大事なことは“大安”の日に実行したりしています。ただ、“六曜”がどのような根拠があって、私たちの生活にどのように影響しているのかよく分かりません。シュンさん、ご存じでしたら教えていただけないでしょうか？」
そんな質問だったと思います。私はすぐに答えました。
「六曜というのは、日本ではカレンダーにも書き込まれているように広く浸透しています。しかし、その根拠も効果もまったく不明で、それを示す文献や歴史書もありません。ですからそもそも気にしない方が良いものです。効果もないでしょう」
私の思いもよらない回答に、相談者は思わず絶句してしまいました。そしてしばらくすると、私の言葉に反論するように、
「でも、仏滅って“仏”と言う字が入っています。これは仏教や神道に関連して、何かの因縁などを現わしているのではないのですか？」
そう言って私を見つめました。
「確かにそうですね、こういった文字は仏教や神道を連想させますが、これらの宗教と六曜はまったく関係はありません。六曜は中国で誕生したと言われていますが、それを示す証拠は何もありません。鎌倉時代に日本に入り“暦注（暦に記載されている日時や方位・運勢などの吉凶を示すもの）として浸透していきました。そして江戸時代にはかなり流行したようです。ただ、元々何の根拠も理由もないものですから、明治時代には政府がハッキリと否定しているのです。明治５年に太陰暦が太陽暦に改められたときに、太政官宣告で”暦注は迷信である“として、六曜の暦注を入れた暦を販売することを一切禁止したのです。そして当時の尋常小学校の教科書にも”こういった迷信を信じてはいけない“とはっきりと書かれていたのです」
相談者は私の言葉を聞いて、気が抜けたようにガックリと肩を落としてしまいました。私は少しフォローする意味も込めて話を続けました。
「ただ、本来は意味のないものでも、多くの人たちが長い年月にわたって“良い”とか“悪い”とか感じてきたものには、それなりの力があります。それは昔、医学が確立していない時代に、病人が家族や祈祷師が必死で唱えるマントラを聞いて、元気を回復していた事例がたくさんあるのです。マントラが肉体に作用することは、医学的に考えればあり得ないことです。しかし私自身、医師から“手の施しようがない”と言われた病人を、マントラを唱えることで何人も回復させてきました。私が唱えたマントラは、有効な薬のない大昔から、身体に効くと信じられてきたマントラです。科学的でないことでも、それが体に作用することはたくさんあります。そう考えたら、あなたやご両親が信じてきた六曜には、これからも一定の効果があると考えて良いと思います」
私の言葉を聞いて、脱力していた相談者に、少しだけ力が戻ったように見えました。
六曜にはその決め方にルールがありますので簡単に紹介しておきます。基本的には「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順で繰り返されます。ただし、毎月１日は固定されていて「１月・７月→先勝」「２月・８月→友引」「３月・９月→先負」「４月・１０月→仏滅」「５月・１１月→大安」「６月・１２月→赤口」から始まり、その後は基本サイクル通りに進みます。そして「先勝は午前中は吉、午後2時～6時までは凶です」「友引は朝は吉、昼は凶、夕は大吉とされ、大安に次いで良い日です。物事が周囲に伝わるので葬式はNGで祝い事はOKです」「先負は午前中は凶で午後は吉、勝負事や急ぎの用事はNGです」「仏滅は六曜では最も凶の１日ですから、祝い事はNGです。ただし、法事はOKです」「大安は六曜では何をするにも最も吉の日になっています。祝い事にはピッタリです」「赤口は午前１１時から午後１時までは吉で、それ以外の時間は凶です。六曜では仏滅の次に凶とされる日です」このようになっています。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者：霊能者ＳＨＵＮ（シュン）
■四六判２４８頁
■定価1６５0円（本体1５００円＋税10％）
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章：地球の誕生と人類の出現
第一章：霊界の存在とその仕組み
第二章：人の縁の不思議
第三章：心霊スポットが危険な理由
第四章：霊障は理不尽なもの
第五章：先祖と私たち
第六章：この世の上手な過ごし方
