先日、私に相談した方は、親しくお付き合いをしていた女性を交通事故で亡くされました。二人は特に婚約をしていたわけではありません。しかし、いずれは結婚することも考えて真剣に交際していたのです。相談者が彼女の死を知ったのは、事故の翌日です。彼女の友人からお通夜と葬儀の連絡が入りました。彼女のご家族は、まだ彼の存在を本人から知らされてはいませんでした。そのためすぐに彼に連絡が届くことは無かったのです。亡くなった翌日の夜になってこの知らせを聞いたものの、地方に住んでいる彼女の元へは翌日の飛行機で行くしかありません。気持ちは今すぐにでも駆け付けたいのですが、翌朝までは身動きが取れません。相談者は彼女の画像や写真、思い出の品を見ながら、悲嘆にくれて眠れぬ夜を過ごしていました。そしてスマホに残されたラインのやりとりを何度も繰り返し眺めていました。そしていつしか、彼女へ向けてラインを書き始めました。
「〇〇！死んだなんて嘘だろ！オレ、絶対信じないからな！この前の日曜日に会って、二人で横浜でデートしたばかりじゃないか。お互いの親のこととか、家族のこととか、オレたちの将来についてたくさん話したよね。いずれ、〇〇の両親に、堂々と挨拶できるように、オレは仕事頑張るって約束したよね。オレ、本気だからね。そう思って頑張ってたのに… 死んだなんて嘘だよな」
彼は悲しみに気が動転しながら、自分の正直な気持ちを彼女へぶつけました。そしていつもと同じように、送信ボタンを押しました。するとどうでしょうか。送信して２分後に、まるで送信したラインに返信するように、スマホの着信音が鳴りました。画面を見ると「非通知」と表示されていました。
～おかしいなあ… 非通知の電話はかかってこないはずなのに～
そう思いながらも、すぐに電話を取りました。
「もしもし、もしもし、××ですが」
「………」
「誰？
「………」
「〇〇か？オレだよ、××だよ、もしもし、生きてるんだろ！△△から〇〇が死んだって聞いたよ」
「………」
「それ嘘だよな、悪い冗談だよな！何とか行ってくれよ、ねえ、〇〇、〇〇！」
「………」
電話はしばらくすると何も言わずに切れました。
相談者はすぐにまた、彼女へあてたラインを書きました。
～今、電話くれたの〇〇だろう？絶対にそうだよね！本当は生きているんだろ？死んだなんて何かの間違いだよね？～
送信ボタンを押すと、またそれに折り返すように、相談者のスマホに電話がかかってきました。画面はまた“非通知”になってます。
「もしもし、〇〇？〇〇でしょ？ラインに返事くれたんだよね！ねえ、何か言ってくれよ、生きてるんだろ！」
「………」
しかし、今度も電話は無言のまま切れたのです。（２）へ続く。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者：霊能者ＳＨＵＮ（シュン）
■四六判２４８頁
■定価1６５0円（本体1５００円＋税10％）
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章：地球の誕生と人類の出現
第一章：霊界の存在とその仕組み
第二章：人の縁の不思議
第三章：心霊スポットが危険な理由
第四章：霊障は理不尽なもの
第五章：先祖と私たち
第六章：この世の上手な過ごし方
