第１０６５回　金纉神社（かなさなじんじゃ）「２」

　そんな私の大事なパワースポット「金纉神社（かなさなじんじゃ）」ですが、YouTubeチャンネルを開設して、私の好きなパワースポットを紹介するに当たり、まず最初に取り上げることにしました。すでにYouTubeチャンネルには「金纉神社（かなさなじんじゃ）」の動画をアップしました。私は、「練馬インターチェンジ」から関越自動車道を通って、意気揚々とここまでやってきました。普段から室内にこもって長時間にわたりマントラを唱えている私からすると、“標高３００ｍ”と言っても、急階段や獣道のような上り坂が連続するこの山道をちゃんと最後まで登れるのかどうかの不安はありました。しかし、不安よりも、久しぶりのパワースポットに行けることのうれしさの方がはるかに大きく、気持ちも軽く「金纉神社」の鳥居をくぐりました。YouTubeの動画を撮影しながらの参拝ですが、正直言って、元気いっぱいで心軽やかに足が進んだのは、車を止めて拝殿を通り過ぎた辺りまででした。その先は、いよいよご神体の御室ヶ嶽の登山が始まります。登り始めた最初のうちは、気温が低くて軽い空気に感動したり、地面から湧き上がるパワーに興奮してハイテンションでした。しかし、目線の届く限りずっと続いている上りの急階段は、それを目にしただけで私をおじけづかせるのには十分でした。

　そう言えば、私はもう何年も運動から遠ざかっています。しいて挙げれば、地元の草野球チームに入ってたまに試合に出ているだけです。しかも野球の場合は、打席に立っても守備に付いても、試合時間のほとんどは体を動かしません。ピッチャーの投球を打つ時と、自分の方へ打球が飛んできたときだけ体を動かします。そんな退化した肉体に、久しぶりの上り坂はすぐに堪えました。山頂を目指して足を動かしますが、だいたい２合目まで来た時点で、膝が震えて休憩を入れました。それからは先は、階段を３０段ぐらい上るたびに、休憩になりました。それも最初のころは立ちどまってしばらく休んでいましたが、３合目を過ぎてからは、階段に腰かけて息を調えて足を休めました。立ったままだと、笑っている膝と足の筋肉が体を支えられないのです。しかも、もしこの急階段で転落すれば、かなり下まで滑落することになります。ただ、パワースポットの中にいるためか、いつもならこの状態になると立っていられないほどの眩暈が襲ってくるのですが、この時は不思議とフラフラ感はありませんでした。私はちょうど中間点を過ぎたあたりから、流れ落ちる汗と震える下半身と立ち止まるたびに襲ってくる蚊に辟易して、この場所の気持ち良さが感じられなくなってしまいました。そこから先はもう自分の“義務感と責任感”だけで根性で足を動かしました。YouTubeを見ていただいている皆さんに、この山の素晴らしさを説明して、この映像を撮って帰ると約束して東京を出てきました。それが運動不足で途中で挫折してしまっては、あまりにも申し訳ありません。そして私の頭には、不安な映像が何度もよぎりました。

～順調に登れば３０～４０分で山頂に着く標高３００ｍの山です。その中腹で、もし遭難したら救助隊は来てくれるのだろうか。あきれて引き返してしまったら、自力で下山できるだろうか～

　そんなことを真剣に考えながらも時間をかけて頂上までは登りました。ただ、前回この山に登ったときには頂上から下界の景色が広く見えたのですが、今回は藪のように茂った木々が邪魔をして、頂上まで来てもきれいな景色を見ることはできませんでした。それでも帰りは、膝をがくがく震えながら、ゆっくりと自力で下山しました。下りた時には全身クタクタでしたが、駐車場横の自動販売機でスポーツドリンクを一気に飲み干すと次第に体は回復してきました。そして体の回復と共に全身にみなぎるパワーと清々しさに顔は自然に笑顔になりました。そして今、あれから３日経っていますが、不思議と筋肉痛はありません。これだけ無理して体を動かせば、普通なら翌日から体のあちこちが痛みます。これがパワースポットでパワーを補給した効果なのでしょうか。体の痛みもなく爽やかな気持ちでブログを書いています。

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