先日、私に「霊障を受けている」と相談された方は、2か月前から毎日のように不思議な夢を見ると話していました。その夢はとてもリアルで、たとえば自分が何かに追いかけられて必死になって逃げ回っている夢を見た後は、自分の足がまるで長距離でも走ったように、疲労していたり筋肉痛になっていることがあるというのです。また、夢の中で自分が崖から転落して、岩に額をぶつけて倒れ込みました。すると翌朝、自分の額に切り傷ができていたり、痣のように腫れていることもあるのです。夢の中で体を押さえつけられて、右手の中指をナタで切り落とされました。そのときは翌朝、右手の中指が赤紫色に腫れ上がってうっ血していたのです。体にもはっきりと痕跡が残るこの夢をみるときは、いつも夢の映像には“セピア色”のフィルターがかかっています。明らかに他の夢とは、違う世界観が広がっているのです。
さらに最近では、夢を見た後に体に痕跡が残っているだけでなく、夢の中で見たものが部屋の中に置いてあるのです。先週は夢の中の戦国時代の戦場で、敵に槍で体を突かれて殺されました。そのときに薄れていく意識の中で、地面に落ちていた白い小石を苦し紛れに右手で握りしめました。そのまま意識はどんどん遠のいて戦場で死んだのです。死の間際に最後に目にした白い小石のことは、強く記憶に残っていました。そして朝起きるとベッドの脇のテーブルの上に、夢で見た白い小石が置いてあるのです。今週は白い砂浜のきれいな浜辺で海を眺めている夢を見ました。ただ、真夏の太陽がギラギラしてものすごく暑くて砂浜も焼けています。裸足で砂浜の上を歩くと、足の裏が今にも火傷しそうになりました。近くを見ると使い古して凹んだビーチサンダルが片方落ちていました。片足だけでも素足よりは楽なので、思わず落ちていたビーチサンダルを拾い上げました。そして目を覚ますと、やはりこのビーチサンダルが、ベッドの脇に落ちていたのです。
相談者はこの状況をとても怖がっていました。何かの霊障だろうと考えていましたが、体の傷跡だけでなく、夢に出てきたものが部屋に置いてあるということは常識では考えられません。いったい誰がどうやって夢に出てきたものをこの部屋まで運んできたのでしょうか。自分が眠っている間に誰かが、自分の部屋に入ってきたと思うだけで、安心して眠れません。私は相談者と話しながら、この状況がどうして起こったのかを確認しました。難解な問題でしたが、霊視をしたことでこれらの出来事の理由はとてもクリアになりました。
まず、足が疲れたり、筋肉痛になったり、額が切れたのも、指が腫れたのも、これらはすべて霊障です。相談者が夢を見たと思っている間、私から見るとそれは夢ではなくて、霊体験をしていたことになります。霊体験によって霊的な身体(エーテル体)が傷つくと、その影響は三位一体となっている精神的な身体(アストラル体)と肉体にも同じように影響が伝わります。霊障を受けてその影響が心身に出る時、憑いた霊の状態が心身に現れることは良くあります。大酒飲みで体を壊して死んだ霊が憑いて、下戸だった人がいきなり、お酒を飲まずにはいられなくなったとか、事故で右手を切断して死んだ不浄霊が憑いてから、自分の右手が動かなくなったというケースです。この人の場合は、足が疲れたり、岩に頭をぶつけたり、指が切断されたという霊体験をしました。それは憑依した霊が実際に自分の体で体験したことです。そのため、エーテル体を通して、肉体にその影響が伝わったのです。その結果、不浄霊が体験したのと同じように、自分の足や額や指に影響が出たのです。それでは夢の中で見たものが部屋の中にあるのはどうしてでしょうか。(2)へ続く。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方