第１０５２回　パラレルワールド

　「異界」とは、私たちが生きている“この世”とは別の次元にある世界のことです。そういう意味では、悪魔が住んでいると言われる“魔界”や“四次元の世界”も、この世とは隔絶された異次元の世界にあります。“あの世”も私たちの暮らす“この世”とは異なる“異次元”にあります。それに対して“パラレルワールド”は、私たちが暮らすこの世と同一次元にある“別世界”になります。そのため「パラレルワールド」は、「並行世界」とか「並行時空」とも呼ばれています。

　もし、「異界」や「魔界」があるとすれば、それは私たちが暮らすこの世界とは次元が違いますから、容易に行き来することはできません。私はときどき“浄霊”を頼まれます。この世にとどまって霊障を与え続けている不浄霊は、この世の中で何度祓ってもまた、戻ってきて霊障の元凶になります。そのような場合、“浄霊”によって、その霊をあの世まで上げて、いわゆる“成仏”させます。あの世は異次元の世界にありますから、あの世へ上がった霊は、この世に舞い戻ることが出来ません。したがって霊障の元凶になっている不浄霊をあの世へ上げることで、霊障の問題は完全に解決します。

　異次元の世界とこの世の間には大きな壁があって、そこをすり抜けることはできません。ただ、時間や場所や空間を流れている波の波形がたまたま何かのタイミングが合って（＝魔が差して）しまったときに、この世の壁を越えて異次元の世界へ入り込んでしまうことがあります。しかし、異次元の世界へ入り込んでしまった場合、その人が再びこの世界に戻ってくることは、ほぼ不可能です。それはあの世へ上がった魂が、この世へ戻って来れないことと同じです。過去１０年以上にわたり、毎年８万人以上が行方不明になっている我が国で、私はその何割かはこの世の壁を越えてしまい、異次元の世界へ迷い込んだのではないかと考えています。昔で言えば、”神隠しにあった”と言うことになります。

　ただ、普段は目にしたり感じることもできない「パラレルワールド」は、同じ次元にある別世界ですから、その世界に入り込んだとしても、この世に戻ることはできます。私は命を失うような絶体絶命の状況から、過去に何度も奇跡的に生きて帰ってくることが出来ました。その詳細はこのブログで以前、紹介しましたのでここでは割愛します。たとえばまだ日の昇らない早朝の海で、海岸で泳いでいた私は、離岸中に乗って沖合まで流されてしまいました。沖合で荒波に揉まれて溺れかけている中で、気が付くと浜辺まで１０ｍぐらいまで自力で戻っていました。そこでサーファーのボードにしがみついて九死に一生を得ました。しかし、海岸線がはるか遠くに見えた沖合から、離岸流の中を自力で戻ることはどう考えても不可能です。住宅造成地の崖の上から、芝生を保護しているビニールを敷いた斜面を背中で後ろ向きに滑り、そのまま２０ｍの下の道路まで転落しそうになりました。斜面を滑ってスピードのついた体は、もう止めることが出来ません。そのときちょうど風が吹いて膨らんだビニールの隙間にスポットと体が入って命を救われました。国道のバイパスを時速１００キロで走行中に、約１０秒間も居眠りをしてしまいました。ハッとして目を開くと中央分離帯を越えて車は反対車線を走っていました。山の中で道に迷い込んで、暗闇の中、背丈を越える茂みの中を彷徨いながら、出口を探しました。そのときに山頂付近に明かりを見つけて、それを目指して山頂まで登り、山の反対側のゲレンデに出ることが出来ました。他にもカーナビが誤作動して道に迷い込んで脱出できなくなりかけた時、なぜか一瞬で出口まで来ていたことが何度もあります。このとき私は何か、この世とは違う“別世界”を通って、生還できるところまでショートカットしたような感覚があるのです。本当に命の危険にさらされたとき、私の中の生きようとする力が、パラレルワールドの扉を開いて、出口まで導いてくれたのです。

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