最近、うだるようなこの暑さの中、街を歩いていた時にパチンコ屋さんの前を通りかかりました。するとお店のドアが開いて中から人が出てきました。その瞬間、お店の中からひんやりとした涼しい空気が歩道にあふれ出しました。冷たくて乾いた空気はとても快適です。私は思わず、ドアの開いた店内へ向けて、2~3歩足が進みました。しかしそこで、強烈な悪臭がして思わず後退りしました。これは複数の死霊と生霊が混ざった強烈な臭いでした。パチンコ屋さんの中には、死霊と生霊がとぐろを巻くように渦巻いていたのです。
私は思わず、以前、地方都市のパチンコ屋さんのお祓い(浄化)を頼まれたときのことを思い出しました。この時は取り祓う死霊と生霊の数が多くて非常に難儀しました。人の欲望の渦巻いている場所は、不浄霊がとどまりやすいのです。そういう意味ではパチンコ屋だけではなく、競馬場も競艇場もカジノも欲に駆られた人が集まりますから、不浄霊は溜まりやすいのです。
人は死んで肉体が亡くなった後、魂は体を抜けてしばらくは現世にとどまりながら、自分の生きた時間を総括します。そしてそこに自分なりの答を出した後は、あの世へ上がって輪廻転生の準備をします。そこでスムーズにあの世へ上がれなくなった魂は、不浄霊として長く現世にとどまることになります。あの世へ上がれない理由はいろいろあります。まずは若くして事故で亡くなったようなケースです。若くして突然、生涯を終えてしまうと、どうしても「もっと生きていたい」と思います。その思いが強すぎると“生”への執着を生み出して、なかなかあの世へ上がろうとはしないのです。他にも“誰かを強く憎んだり、恨んでいるケース”もスムーズにあの世へ上がることはできません。人の思いを「ポジティブ」と「ネガティブ」に分けたとき、「ネガティブ」の方がはるかに重たいのです。その重い思いを強く抱いていると、その重さゆえにスムーズにあの世へ上がれなくなります。そして生きていた時の“欲”を断ち切れない人も、その場所に執着してとどまろうとするため、スムーズにあの世へは上がれません。ですからギャンブルを行う場所には、金銭欲に取り憑かれた人たちがとどまりやすく、風俗店や色恋を売りにするような夜の飲食店も性欲に取り憑かれた人がとどまりやすいのです。しかも、こういったケースでは1体とか2体の不浄霊ではなく、複数の不浄霊がとどまっていることが多いので、祓う作業も簡単には終わりません。
さらに言うと、死霊と共に“生霊=念”も渦巻いていることが多くあります。ギャンブルを行う場所では、誰もが大切な身銭を切って博打に勝負をかけています。必死になって、“当たれ!当たれ!”と念じているうちに、タイミングが合えば、念が出てしまいます。そして出された念は、誰かへ向かって飛んで行くわけではありませんから、念の出た場所にとどまるのです。
私も若いころには、こういった場所へ何度か出かけたことがあります。意地になってお金や時間を費やしたこともあります。しかし、若いころには普通には出入りできた場所が、今では容易に中には入れません。その理由は、この仕事を長く続けている中で私の霊的な間口が、毎年広がり続けて、今ではかなりの大きさになってしまったからです。間口が広がったことで、若いころの何倍もここにとどまる霊的なものと同調しやすくなっています。そしてその影響が体に浸透してしまうのです。
たとえば霊や念がたくさんたまっている場所と言えば、“心霊スポット”ですが、そこにいる不浄霊の影響を受けるのかどうかは、その霊と私が同調できるかどうかにかかっています。どれだけたくさんの不浄霊がとどまっている場所でも、自分と同調しなければ何ら影響は受けません。逆にほとんど不浄霊のいない場所でも、誰かとつながってしまえば“霊障”は受けるのです。そして霊的な間口が極端に広くなってしまった私は、私の霊的な波長と離れた波長を持つ不浄霊とも同調できますから、若いころには普通には入れた場所でも、今はとても苦しくなっているのです。
私はこういった場所へ皆さんが足を運ぶことを否定するつもりはありません。パチンコでも競馬でも水商売でも、ストレスの発散とか楽しみの一環として、生活に支障のない範囲で楽しく過ごされれば良いのです。ただ、そこであまりにものめり込んでしまうと、その場所に執着が発生して、あの世へ上がることが出来ずに、輪廻転生のサイクルから弾き出される可能性もあります。人はそもそも欲には弱い生き物です。ですから欲望の渦巻く場所には十分に注意する必要があります。