私に相談した別の女性は、夢にハッキリとした形で親しい人が出てきた後、その人が半月から1か月ぐらいで亡くなったということを何度か繰り返していました。最初の夢は、子供のころの自分が親戚の叔父さんと一緒に浜辺で砂の山を作って遊んでいました。辺りは太陽が照り付けていて真夏のようです。山は叔父さんが高く築き上げて、自分は山の周囲に堀を掘りました。堀の中には叔父さんが、帽子の中に汲んできた海水が掛けられました。海水の中に山が出来上がって、お城のようで良い出来栄えでした。この状況に自分なりに満足をしていると、叔父さんが笑顔で何か話しかけてきました。しかし、叔父さんの声は聞き取れません。そこで叔父さんに。

「なーに?何て言ったの?」

そう話しているのですが、この声は叔父さんに届きません。そのうち目を覚ましてしまい、自分でも半分寝ぼけながら

「叔父さん、何て言ったんだろう…」

そんなことを考えていたのです。それから半月ぐらいして、叔父さんは突然、倒れてそのまま亡くなりました。心疾患だったようです。叔父さんとはもう何年も会っていませんでしたが、この夢のことを覚えていたので、とても悲しい気持ちになりました。子供のころはよく遊びにつれて行ってくれた優しい叔父さんだったのです。

 

あるときの夢は会社の会議室でお昼休みに、同僚の女子社員と恋愛について議論をしています。この方はすごく腹を立てていて、同僚をずっと詰問しています。しかし、同僚は事実を隠すために嘘をついて、言い訳に終始しています。その様子にさらに腹を立てて同僚を追求しているのですが、同僚は非を認めることもなく、謝罪をすることもありません。そんな不毛とも思える議論を夢の中でずっと続けていたのです。現実にはこの女性と恋愛問題で三角関係になったことはありません。二人は仲の良い関係ではなく、むしろお互いに避けているような状態でした。そのため会社で顔を合わせても、お互いに挨拶程度に言葉を交わすだけで、口をきくことはほとんどありません。そんな関係の同僚ですから夢に出てきたこと自体が驚きでした。この女性もこの夢を見てから一か月も経たずに、原因不明の突然死を遂げているのです。この女性は自宅で朝起きたら亡くなっていたのです。何の予兆も前触れもなく、前夜までいつもの通りに生活して、自分のベッドに入って就寝したのです。しかし、朝になっても起きてこないので、母親が部屋へ起こしに行くと死んでいたのです。警察が状況を確認しましたが、外部から人が侵入した痕跡はありませんし、遺体を調べても殺害された跡は何も出ませんでした。まさに突然死と言うことで処理されました。

 

他にもこの方は、ものすごくリアルに夢に出てきた知り合いが、2人亡くなっています。合計4人になります。不思議な出来事が続きましたから、3人目の方からは、夢に出てきた日にち、時刻、そして夢の内容と、死亡した日時、死の状況をノートに書き留めるようになりました。そしてこの夢が現実とどのように結びついているのかを解明しようと試みたのです。(3)へ続く。

 


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