前、ある地方都市に住んでいる方から、「息子の様子を観てほしい」と頼まれたことがあります。それは3か月くらい前から息子さんの様子がガラッと変わってしまい、意味不明の独り言をぶつぶつとつぶやいたり、夜寝ているときに、突然、悲鳴のような大声を張り上げることがあったからです。息子さんは20代の後半で独身です。昼間は近くの自動車修理工場で働いている自動車整備士です。そして自分の技術を生かして車を改造するのが好きで、週末になれば改造した車に乗って、峠道を走り回るいわゆる“走り屋”をやっています。ご両親は危険な運転はしないようにいつも注意はしています。しかし、自分の給料で安い車を買ってきては、自分で改造して走らせているので、あまり強く言うこともできません。せめて“人様に迷惑をかけないように”それだけ伝えて息子さんを送り出していました。

 息子さんに霊の影響があるのかどうかは、現在の画像を撮っていただければ、それを見ればその場でお答えできます。しかし、ご両親の心配はそれだけにとどまりません。息子さんは昔の国産スポーツカーが大好きで、お金がたまると中古車を買ってきます。整備はお手の物ですから、年式が古くても程度が悪くても気にしません。むしろどこか故障していたり、凹んでいるような車は安く買いたたくことが出来ますから、そんな車が家にはあふれているのです。しかし、ご両親が見ても「何か、この車気持ちが悪い」と感じるものが何台かあります。息子さんは今は古いスポーツカーばかり、6台を所有しているので、それもチェックしてほしいというのです。それも画像を見ればわかるのですが、確認してもし何か霊的に問題があれば、車のお祓いもしてほしいので、家まで来てほしいと依頼されたのです。私は東名高速道路を4時間かけて車で向かいました。さらに最寄りの出口から山道を40分運転して依頼者のお宅に到着したのです。

 私も車は大好きで、昔からスポーツカーばかりを乗り継いできました。ですから息子さんの所有する車は、私が若いころに乗ったこともある車も2台あってとても懐かしいものでした。具体的には、R30日産スカイライン、S12日産シルビア、Z31日産フェアレディーZ、AE86トヨタスポリンタートレノ、トヨタセリカGT-FOUR、マツダRX8、の6台です。どれも走行距離は10万キロを越えていますし、ボディも傷んでいて、正直程度は良くありません。しかし、旧車マニアが見れば、大喜びするようなスポーツカーばかりです。息子さんはこの6台に峠でドリフトしやすいように山の削れたツルツルの扁平タイヤをはいて、週末は峠へ繰り出していたのです。

 私は1台1台ドアを開けて、運転席に座りながら、どのような因縁を抱えているのか感じ取っていきました。どの車にも”霊ハク“という重い想念が残っていて、それは息子さんに悪影響を与えています。しかし、この中の2台、具体的にはR30日産スカイラインとマツダRX8は他の車とはまったく異質の臭いが漂っていました。それは霊ハクという念の問題ではなくて、人が死んで肉体が無くなった魂=死霊の臭いです。しかも、この死霊は峠道を走っている最中で、どこかで拾ってきたものではありません。峠道を走行中に、そこで命を落とした人の霊がその場にとどまっていると、霊的な波長が合えばそれが自分に乗ってくることはあります。しかし、私が感じた2台は、この車自体から死霊の臭いが発せられているのです。それはどういうことなのか。それはこの車自体が人の死に関与しているということです。分かりやすく言えば、この車によって人が死んでいるということです。(2)へ続く

 


シュンさんのホームページ ここをクリック