私は皆さんからさまざまな施術を依頼されます。「除霊」をしたり、「浄霊」をしたり、「体にたまった念」を抜いたりしています。これらの作業を一言で言えば、「心身に出ている霊的なものの影響を取り除くこと」になります。これらの作業時間は、影響している霊によって大きく異なります。軽いものであれば、電話で20分ぐらいマントラを唱えた時点で自然に抜けていきます。ひどいものでもほとんどのものは3週間ぐらい作業を続けることで、最終的には祓うことはできます。理屈で考えれば、悪影響を与えていたものを取り除けば、その時点で心身の状態はすぐに改善されることになります。しかし、現実にはそう理屈通りに解決できないことが多くあります。

 たとえば体の中に“ガン細胞”ができてしまい体調を悪くして入院しているとします。このがん細胞が体調を悪化させている原因ですから、これを切除してしまえば、体は元気になるのが理屈です。しかし、現実には手術によってがん細胞を切除したことで、翌日から元気に走り回れるわけではありません。それから体力が回復するとか、失われた臓器の機能を補うとか、リハビリを重ねながら、徐々に体は回復していきます。霊の影響もこれに似ています。悪影響を与えていた不浄霊を「除霊」によって祓ったとします。しかし、私たちの記憶や意識の中には、不浄霊が憑いていた状態がインプットされています。たとえば10年前に霊に憑かれた人は、この10年間、自分の意識も気持ちも肉体も、霊に憑かれていた10年間に慣らされているのです。するとそれを「除霊」によって祓ったとしても、すぐに状況が改善することはむしろ少ないのです。不浄霊を祓った後は、今度は霊の憑いていない正常な状態に、意識も気持ちも肉体も慣れていかなければなりません。昨日までの10年間ではなく、今日からの時間が自分の本来の時間であることに心身が目覚めてくれなければいけないのです。元凶である不浄霊を祓い、祓った状態に心身が覚醒して、はじめて体の状態は一変します。ですから「除霊」を行ってから、現実に体が回復するまでにはタイムラグができてしまいます。

 私の印象では、「除霊」終了直後に、直ぐに心身が反応して、「視力が上がったみたいです」とか「体が軽くなりました」といって体が回復する人は3割ぐらいです。あとは一晩眠って翌日の朝起きたら、「体調が変わりました」と言う人が、3割ぐらいいます。あとは「除霊」終了後、翌日から少しずつ体調が良くなって、1週間以内に回復したという人が2割ぐらいいます。さらになかなか心身に変化が見られないものの、1か月ぐらいのうちに気が付いたら体調が良くなったという人が、15%ぐらいです。そして残りの5%ぐらいの人は、体が覚醒するまでに本当に何か月もかかってしまうことがあります。

 身体が覚醒するまでの時間は、憑いていた不浄霊が「強いもの」や「古いもの」であると時間がかかる傾向にあります。それは自分の意識にも気持ちにも肉体にも、憑いていた状態が強く刻み込まれるからです。また、憑いていた期間が長期間になるほど、時間がかかる傾向にあります。それは憑依されている時間が長期間になれば、その状態に心身が慣らされてしまうからです。さらに憑依された人の年齢が高いと時間がかかる傾向にあります。それは年齢が上がると若いころに比べて体を循環しているエネルギーも気も少なくなっていきます。代謝も悪くなりますから、それだけ体の反応が鈍くなってしまうのです。ですから年齢を重ねた方が、古くて強い霊に長期間憑かれているようなケースでは、霊を祓うよりも、祓った後に体を覚醒させる方に、時間や労力が必要になることがあります。

 先日も霊の影響で、“難治性のひどい皮膚潰瘍”ができている方から相談を受けました。病院には10年近くも通ってさまざまな治療を受けているのですが、霊の問題に起因しているためほとんど状況は改善できないのです。私も何とか力になりたいと思い、対応を考えましたが、やはり“心身の覚醒”が壁になってしまいます。それはこの方の年齢が80代の半ばだからです。元凶になっている不浄霊を祓うことに大きな問題はありません。ですから「除霊」自体は問題なくできると思います。しかし、その霊を抜いた後に、体がスムーズに反応することは非常に困難だと感じました。ですから私はその状況を伝えて、この方の依頼をお断りしました。霊の問題への対応は、それを祓ったりブロックすることで、終わりにならないことがあります。それがこの問題の解決を難しくすることがあるのです。

 


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