今はほとんどの人はスマホを持っています。スマホにはカメラの機能が付いています。そのためカメラを使って写真を撮影する人はめっきり少なくなりました。私が子供のころは、どこかへ出かけるときにはカメラを持参して、写真を撮影して帰ってきました。そして家の近所には“カメラ屋さん”があって、撮ってきた写真はカメラ屋さんへ出して、そこで現像してもらいました。そして4~5日ぐらい待って、プリントアウトされた写真を見ることができたのです。
写真はその場の一瞬をとらえます。ですからシャッターを切った瞬間に目をつぶってしまったり、横を向いてしまったり、ちょっとしたアクシデントが起こることもあります。中には心霊写真と言われるように、その場にいるはずのない人が映り込んだり、手足の数が人数と合わないことも時々起こりました。それはスマホ内臓のカメラ機能でも同じです。ときどき私のところに、「不思議な画像や気持ちの悪い画像が撮れたので見てほしい」と頼んでくる人がいます。先日もその人の実家に置かれているものに、「何か違和感を感じるものがある」と言って、5枚の画像を送信してきた人がいました。メールには分かりやすいように添付画像に名前が付けられていました。「庭に昔からある真っ黒な石」「以前から掛けられていた掛け軸」「緑色の陶器でできたカエルの置物」「北海道土産の木彫りの熊」「九谷焼の花瓶」の5点です。どれも何かいわくがありそうな感じがしました。特に私は「カエルの置物」について嫌な感じを持ちましたが、この画像だけが添付されていないのです。私はそのことを依頼者に伝えました。そして依頼者は画像圧縮ファイルをいくつか変更して送信してきたのですが、どうしてもこのカエルの画像だけ正常に受信できないのです。仕方なくこの方は後日、画像ファイルの容量を変えずにそのまま「カエルの置物」の画像を送信してきました。
依頼人によるとこの「カエルの置物」は、家族で鬼怒川温泉へ出かけた時に、川の近くの「お土産物屋」で買ってきたというのです。お店の棚に置かれたこの置物を見た時に、何かカエルの目に“目力”があって、引き込まれるような感じがして買ってきたのです。しかし、私がこの画像を見て最初に驚いたのは、“カエルの色”です。それはメールには“緑色”と書かれていましたが、どうみても“茶色”にしか見えないのです。私はそのことを依頼者に指摘しました。すると依頼者は
「そんなことはありません。どうみても緑色の置物です。画像を送信するときに何かトラブルでも起きたのでしょうか」
そう言ってきたのです。そして、再びこの置物の画像を撮って、送信してきました。すると今度は真っ黒の色に変わっているのです。そして私も依頼者も閉口してしまいました。私はともかくこの「カエルの置物」を見ようと霊視をしてみました。するとさまざまな光景が頭に浮かびました。それはお土産物屋でこのカエルの頭をなでている小学校1~2年生ぐらいの女の子。そして女の子の視界には、目の前にあふれる川の水と、その向こうの川岸から驚いてこちらを見つめている大人の姿が映し出されました。そして大人の姿は、どんどん遠ざかって行ったのです。きっとこの女の子は、このカエルの置物がとても気に入ったのです。そしてお母さんに「買ってほしい」とせがみました。それでもお母さんは、「やめなさい、何か気持ち悪いでしょう。他の物にしたら」そう言って一蹴してしまったのです。それから間もなくしてこの女の子は川の中で足を滑らせて溺れています。そのため死んだ後の魂は、このカエルのところにやってきて、ずっと頭をなでていたのです。このような亡くなり方をしていますから、この女の子の魂は、まだ現世にとどまっています。生に強く執着していますから、あの世へ上がるにはまだ時間がかかるでしょう。そこで自分が亡くなる前に目にした、気に入ったこのカエルに会いに、たびたびこの置物のところを訪れていたのです。この女の子と依頼者やその家族は、幸い霊的な波長が離れていました。ですから憑依されることはありませんでした。しかし、不浄霊がたびたび訪れる置物ですから、それを家に置いて何一つ良い効果はもたらしません。(2)へ続く