皆さんもお仕事が休みになった年末年始やゴールデンウイーク、お盆休みに観光地へ出かけることはあると思います。私も若いころはサラリーマンをしていました。私の場合、いつも気を張って仕事をしていたので、休みになると気が抜けて、しばしば病気になっていました。休みが始まったとたんに風邪を引いて休日診療所へ駆け込んだことが何度もあります。それでもたまには観光地へ出かけた思い出はあります。観光地って本当に良いと思います。それは景色が良いとか、食事が旨いとか、温泉が気持ちよいということではなくて、観光地の空気がとても軽くて気持ちが良いのです。普段都心のオフィス街は、特に日中は空気が張り詰めて緊張しています。それが観光地は、ここに来る人のほとんどは“オフ”できていますから、仕事の張りつめた空気が感じられません。オフのリラックスした空気であふれています。だから観光地は楽なのです。何度かこのブログで書いた記憶がありますが、東京に住んでいる人であれば、日曜日の丸の内や大手町を歩いてみるとよく分かります。平日とは全く違う楽な空気が流れています。丸の内にある皇居は霊的に見て、非常に良い場所に作られています。パワースポットと言っても良いでしょう。平日は丸の内の“オン”の緊張感に包まれて気づかない皇居の気持ち良さは、休日には強く伝わってきます。身近にある最強のパワースポットです。このように観光地や休日のオフィス街の楽な空気を多くの人が感じ取れるということは、その逆もあるということです。重たい空気が町全体に広がれば、自分のテンションも上がりません。気持ちも“どんより”として沈みがちになります。そのため意欲は減退して、作業量が目に見えて減ってきます。
今回の安倍さんの事件については、何人かの方から質問をいただきました。また、ホームページの掲示板にも質問が書き込まれましたので、掲示板の管理人が応えています。事件から少し時間が経ちましたから、皆さんの思いも変化してきたと思います。ただ、この事件は、この国全体に重い影をもたらしたように感じます。この国のリーダーとして、歴代最長の通算3188日も総理大臣を勤めてこられた方です。平成以降に首相になった16人の中で、在任期間が2年以下の人は12人もいるのです。安倍さんのとってきた政策については人それぞれで賛否両論はあるでしょう。しかし、これだけの長きにわたって、この国のリーダーとしてけん引してきた方が、このような亡くなり方をしたというのは、数多くの国民にショックと喪失感を与えました。その大きさは全国に設置された記帳所や献花場を訪れた、長い列を見れば明らかです。そして今は、コロナがまた第7波で広がりを見せています。ウクライナの戦争はますます終わりが見えなくなっています。そんな重たい空気の中での安倍さんの事件ですから、ますます暗いムードがこの国全体にまん延しています。
たとえば多くの人が亡くなるような災害が起これば、その地域や国全体が重く沈んでしまいます。逆にオリンピックで日本人が大活躍したり、ノーベル賞で科学者が評価されれば、自分には直接関係のない出来事であっても、気持ちは高まります。「自分には直接関係ないこと」と言って、知らん顔を決め込んでも、この空気感は自分にも伝わってきます。人はそれを感じ取るセンサーを持っているのです。亡くなられた安倍さんについては、「今まで長い間、お疲れさまでした。どうぞゆっくりとお休みください」と申し上げるしかありません。迷わず成仏されることを心よりお祈りいたします。