死んだ魂とのコンタクトはまた違った形で行われることもあります。亡くなった方が、死んだ時間やその前後に“夢枕に立った”と言う話はしばしば聞きます。私の知り合いにも、過去に何度も亡くなった方が“夢枕に立ってる”という人がいます。その人は、後で確認するために、夢枕に立った人と日時、そしてどのようなことを告げられたのか、その内容を毎回メモしていました。すると“夢枕に立った人”は8割以上の確率で、その時刻に近い時間で亡くなっているというのです。あとは、「声が聞こえた」と言うケースもあります。たとえば夜、ベッドの中で1人で眠っていると、ここに居るはずのない“田舎のお爺ちゃんの声が聞こえた”というのです。そして翌朝、母親から「お爺ちゃんが亡くなった」と聞かされて、「自分に会いに来たのかと思った」というのです。学生時代にいつも一緒に過ごしていた“仲良し3人組”の一人が亡くなったときに、他の二人が亡くなった人の声を聞いていたということもありました。

 以前、このブログで書きましたが、“死者の霊”と頻繁にコンタクトを取るということは、とても危険なのでお勧めはできません。ですからもし、誰かが夢枕に立ったり、声が聞こえてきたときは、それに普通に応答して会話を成立させてはいけません。心の中で「早く成仏してください」とそれだけを祈りながら、意識を死者の魂から外してください。霊と頻繁に接触するようになると、さらにつながりやすくなっていきます。その結果、悪くすると死の世界へ引きずり込まれます。

 先日私に相談された方も、はからずも霊と”応答”してしまったことで、ひどい“霊障”に遭ってしまいました。その方は、学生時代の友人4人が集まって、友達の家で話をしているうちに、近くの「心霊スポット」へ出かけて行ったのです。その心霊スポットは、元は旅館でしたが、かなり以前に営業は終了していました。その後、土地や家屋の権利者が争って、この旅館の改築も解体もできないままに、どんどん廃れて廃屋になっていました。今では近くの若者が“肝試し”に訪れたり、不良少年の“たまり場”になってしまったのです。普段なら深夜まで、何組かの若者のグループが、ここにやってきて騒いでいました。しかし、最近は警察の巡回が強化されたこともあって、4人が着いたときには、他に人影は見えませんでした。4人は途中のコンビニで買った懐中電灯2本をたよりに、2組に分かれて建物の内部の探索を始めました。

 時間は深夜12時を回っています。建物の中に灯りはまったくありません。壊された壁や剥がれかけた天井がしばしば行く手を塞いでいました。しんと静まり返った建物の内部は、じわじわと恐怖を増幅させています。そこで二手に分かれた2人組は、恐怖を紛らわすために、ときどきたわいのない会話を交わすのですが、会話は弾まずにすぐに元の静けさに建物は包まれます。そのとき1階の奥を探索していた2人組の一人が、ポツリと呟きました。

 「ここ本当にヤバいんじゃないか、本当に幽霊がいるんじゃないの?」

その瞬間、誰も居るはずのない方向から、悲し気な声が響きました。

「………い・る・よ………」

私の相談者は、慌ててもう一人の友人に確かめました。

 

「お前今、何か喋ったか?喋ったよな!」

相談者の友人も驚いて答えました。

「お前が喋ったんじゃないのか!今、“いるよ”って言ったよなあ」

もう一人も確かにこの答えを聞いていたのです。

二人は入ってきた入り口に向けて、無言のまま速足で向かいました。そして足音しか聞こえない建物の中に再び、同じ声が響きました。

「こ・ろ・す」

二人は全身に悪寒が走り。震えが止まりません。それでも何とか外に出て、まだ中にいる二人へ叫びました。

「ここヤバいって、早く外へ出ろ!」

この翌日から、相談者は原因不明の高熱にうなされて、会社を休みました。病院では解熱剤を処方されましたが、まったく効果はありませんでした。私はすぐに相談者の除霊を行い、熱は間もなく下がりました。

 “心霊スポット”と言われている場所は、本来は問題のなかった旅館であっても、今では悪いものを次々に呼び込む“不浄霊の巣窟”になっています。面白半分でむやみに近づくことはやめてください。

 


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