以前、自宅のある一角をまだ赤ん坊の長男と飼い猫がしばしば見つめていると相談を受けました。その部屋は居間の隣のタンスなどが置いてある部屋です。その部屋の北東方向の天井の辺りを時々じっと見つめているというのです。それもかなりの長時間にわたって、猫も赤ん坊も一言も発せず、身動きもせずにずっと見ているのです。その不思議な行動が気になって、赤ちゃんの母親が私に相談してきたのです。私はまず、家の中とその天井の辺りの画像を何枚か送ってもらいました。そして確認したのですが、そこに残っているものは「霊はく=人が無意識に出しているネガティブな想念の塊」でした。家の中の他の場所の画像を確認しましたが、特に不浄霊や生霊(念)が入り込んでいるとは感じませんでした。相談者にお話をうかがうと、この家は築5年の比較的新しい中古住宅を購入していました。この家に引っ越してきてから相談者のご夫婦は特に異変は何も感じていませんでした。そして子供のいなかった夫婦は猫を飼い、そして子供を妊娠して出産したのです。自分自身は今でも家の中に何かの気配を感じたり、ラップ音などの聞いたこともありませんでした。しかし、いつのころからか猫と赤ん坊が、やたらとこの一点だけを見つめていることに気づいたのです。私は、自分の感じた状況をお伝えしました。

「霊ハクと言うのは、悲しみや憎しみ、怒りや後悔などの強いネガティブな思いを持ち続けてしまったときに、自分でも気づかないうちに出してしまうものです。おそらくこの家を売られた方は、本当はこの家を手放したくは無かったのだと思います。自営業の人であれば、事業に失敗したとか、会社員であれば会社をリストラされたとか、何かどうしても家を売らなければならない状況に追い込まれたのだと思います。そしてせっかく建てた自分の城をわずか5年で泣く泣く売りに出したのです。その悲しみや無念の思いが霊ハクとなって出てしまい、それが鬼門(北東方向)に当たるこの家の一角にとどまっていたのです」

「何か生霊みたいで恐いのですが、霊ハクが私たち家族に悪影響を与えるということはあるのですか?」

相談者の奥さんはかなり不安そうに私に尋ねました。

「霊ハクは霊体ではありませんから、誰かに憑依することはありません。また、生霊のように憎しみの相手方を目指して放たれたものでもありません。ただ、広い意味では霊的なものになりますので、強い霊ハクが大量に溜まっているような場合は、タイミングが悪くなったり、無意識にしている選択が悪い方を選んでしまったり、体調面に悪影響を及ぼすこともあります。ただ、私が見た限りでは、ご自宅にとどまっている霊ハクはそれほど強いものではありません。ですから放っておいても、ご家族に強く悪影響を与えることはありません。でも、どうしても気になる場合は、除霊のようにマントラを唱えることで、すぐ祓うことはできます」

私はこのように説明しました。そして奥さんからは、

「気持ちが悪いので祓ってください」

と頼まれました。そこで後日、室内の北東の一角に溜まっている霊ハクはマントラを唱えてきれいに取り除きました。

 

すると奥さんは、

「あの部屋が以前よりも明るくなったような気がしました」

そう言ってとても喜んでいました。それはそれでよいのですが、私にはまだ気になったことがありました。そのため霊ハクを祓い終えた後に、奥さんに私からお話しをしました。(2)へ続く。

 


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