以前、たまたまテレビを見ていた時に、「旅館の開かずの間に潜入」という番組を見たことを思いだしました。日本旅館の奥の一室には入り口に大きな南京錠で厳重に鍵がかけられていました。女将さんも入ったことがないという昔から“開かずの間”になっていたその部屋へテレビのカメラが何十年ぶりに入りました。するとそこには驚きの光景が映し出されたのです。部屋の床・壁・天井にお札がぎっしりと貼り付けられていたのです。それもほとんど隙間もないくらいにです。私も以前、ここまでぎっしりではありませんが、部屋の中にお札を何十枚も貼ったことがありました。そうなった理由は簡単です。まずは室内の北東と南西の角の最も高い位置に2枚の霊符を貼りました。その霊府によって部屋の中を守るためです。しかし、時間が経過してきたときに、2枚の霊符の中間に当たる東南と北西の角から、不浄霊が入り込んできたのです。2枚の霊符で守っていましたが、中間の角は部屋の中で最も弱い場所になっていたからです。そこで私は不浄霊が入り込んでくる東南と北西の角にも2枚の霊符を貼って部屋を塞ぎました。すると今度は4枚の霊符の一番弱い部分=中間に当たる場所から不浄霊は入り込んできたのです。そこで4枚の霊符の中間に当たる場所にもまた霊符を貼ったのです。こうやって部屋に不浄霊が入り込んでくる隙間ができるたびに、次々に霊符で塞いでいったのです。その結果、最後には部屋の中に何十枚も霊符を貼ることになったのです。
霊符は普通は2枚の霊符でお部屋の中を守ることができます。あまり強くない霊の影響なら、最上階の角と1階の角に2枚の霊符を貼ることで、2階建てや3階建ての一軒家を守ることも出きます。しかし、周囲から室内に入り込んでくるものが強いものだったり、悪いものだったり、古いものだったりした場合、不浄霊は霊符で作ったバリアの弱い箇所を探してそこから侵入してくるのです。ですから日本旅館の開かずの間は、私と同じように塞いでも侵入してくる霊と闘ってお札を何枚も貼り続けた結果、それでも侵入を食い止めることができなくて、最終的に「開かずの間」という形で人が入れないようにしたのです。その日本旅館には周囲に霊的に相当悪い場所があって、そこから開かずの間に向けて、しっかりとした霊道が敷かれていたのです。
以前、家の周辺に廃神社が合って霊障に悩まされていた方は、寝室の枕元に写経を掲げて霊に対抗しました。最初のうちは写経を掲げてから、家の中で霊障が起こることは無くなり、安心して暮らせるようになりました。しかし、しばらくすると、写経を掲げていない1階の部屋では霊障が発生するようになったのです。さらに時間が経つと2階の中でも寝室以外では霊障が起こるようになり、最後は写経の真下以外では、寝室の中でも霊現象が発生するようになったのです。霊は狡猾に家の中の霊的に弱い場所を探し当てて、そこから侵入してくるようになります。
ですから私が訪問した賃貸アパートは、洋室の目の前にある廃神社からこの部屋に向けてしっかりとした霊道が通っていたのです。
最初にこの部屋に住んだ方は、そのことを理解していたために、室内にお札を貼って霊の影響をブロックしていました。しかし、向かいの廃神社が霊的な意味で相当に悪い場所だったのです。そのため何枚もお札を貼っても家の中で霊現象が発生していました。そしてお札の数はどんどん増えていって、最後には洋室以外の室内にもお札を貼るようになったのです。ただ、このお札のおかげで不浄霊の影響は無くなったはずです。そうでなければ20年間もこの部屋に住み続けることはできません。そうやって何とか霊の影響をブロックして生活していたのですが、引っ越しの時にこれらのお札類はすべて取り外してしまったのです。家中に所狭しとお札を貼っていれば、怪しい人間に思われますし、引っ越しに際して取り外すように大家さんから注意を受けたはずです。そこで室内を守っていたお札を全部取り外して、見た目はすっきりとした部屋に戻りました。ただし、霊に対しては何ら防御の手立てのない“、丸腰の部屋”に戻ってしまったのです。そして新たにこの部屋に引っ越してきた方は次々に向かいの廃神社の影響を受けて、この部屋には住めないと感じたのです。
私は室内でお祓いのマントラを唱えて、溜まっているものをすべて祓いました。さらに押し入れの天板の中と、浴室の通風孔の中に見えないようにパワーストーンと神符を入れておくように伝えました。最初、不動産屋の担当者は私の行動を不審に思ったようですが、お札を家中に貼り付けなくてもマントラを念じ込めたパワーストーンと神符があればそれで十分に室内は守られるのです。
「これで次に引っ越してきた方は、普通に生活できると思います」
私は向かいの廃神社からは目をそらしたまま足早に家路につきました。