私たちはよく「縁起が良い」とか「縁起が悪い」という言葉を遣います。縁起とは具体的にどういったものなのでしょうか。Wikipediaを見ると

「他との関係が縁となって正起するということ。すべての現象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであって、独立自存のものではなく、条件や原因がなくなれば結果も自ずからなくなるということを指す」

と書かれています。これでは何のことなのかさっぱり分かりません。

 

実際には、縁起の良い(悪い)名前、日にち、言葉、漢字、色、タイミング、場所などを指して、私たちは縁起の良し悪しを判断しています。ただ、縁起というものが結果を変える力を持っているとした場合、五感で感じる場所や色や音(旋律)など以外に、言霊(言葉)が関係していることが多いように思います。よく自分の名前が縁起が悪いと言って改名したり、改名しなくても日常生活で別の名前や漢字を使う人がいます。自分の名前は自分に向けられる最も多い言霊ですから、他の人から良い言霊をたくさんぶつけてもらった方が、自分の人生が良くなるのはわかります。言葉に力があるのは、私がよく唱えている“マントラ”を見れば明らかです。ですから私は名前の漢字や字画ではなく、名前の韻を重視します。

 

私に時々、

「子供の名前を決めてください」

頼んでくる人がいます。そんなとき私は良い(縁起の良い)響きを持った言葉を探します。どうして今回、縁起について書こうと思ったのか。それはつい先日、インターネットに少し気になる記事が書かれていたからです。それは

“引退後を見据え白鵬が手を出す「呪われた間垣株」相場は2億円”

というものです。私はこのブログでもしばしば取り上げていますが、スポーツはジャンルに関係なく大好きですので、こういった記事が出るとつい気になってしまいます。

 

横綱白鵬は史上最多45回の優勝を果たした大横綱です。36歳という年齢は力士としては高齢で、昨年8月に膝の手術をして、今年の1月にはコロナに感染して、今年の3月にもひざの手術をしました。そのため最近では数多くの場所を休場することになり、膝の状態も回復してこないために引退を決めたということです。引退した元力士が引退後も相撲協会に残ってその運営に携わっていく場合は、“年寄名跡(親方株)を取得しなければなりません。この親方株は現在105個しかありませんので、引退後に親方になるためには、定年(65歳)で引退するなどして、誰かが手放した親方株を購入する必要があります。数が限られているので、空きが出なければ親方株は買えません。親方株を持たなければ相撲協会に残って親方になることはできないのです。ですからこの親方株の値段は1億円とも数億円とも言われています。そしてこの株を持つことと、現役時代にある程度の地位まで上がった実績(=最高位が小結以上か、幕内通算20場所以上か、十両以上在籍が通算30場所以上)があれば、日本相撲協会の親方になって、定年(65歳)までの生活は保障されるのです。白鵬はおととしの9月3日に日本国籍を取得しましたので、自分に譲ってくれる親方株を探していたのです。そして間垣の株を取得して、引退後は間垣親方を襲名することになったのです。ただ、記事にもあるようにこの”間垣親方“が曲者なのです。

 

間垣親方という年寄名跡は約300年前から受け継がれてきて、白鵬が第21代目の間垣親方になります。戦後で言うと9代目になりますが、記録のはっきりしている明治時代以降、定年まで無事に親方を勤め上げた人物は誰もいないのです。それもスキャンダルによって退職に追い込まれたり、病気で若くして亡くなっているのです。そのためこの記事では“呪われた間垣株”という見出しを付けたのです。(2)へ続く。

 


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