以前、このブログの中で「エンパス」と「HSP」について書きました。先日も私に相談された方の中に自分自身について「HSP」ではないかと自己分析された人がいました。私は毎日、皆さんのご相談に答えている中で、相談者が「エンパス」なのか「HSP」なのか、さらにその方の「霊的な間口の広さ」については常に頭の片隅でチェックしています。この3つはどれもその人の心理的な気質を推し量る一つの物差しになります。そしてすべてに該当する人もいれば、どれかが当てはまらない人や全く該当しない人もいます。この3つの線引きは難しいのですが、微妙に異なっています。
以前にも述べていますので簡単に説明すると、「エンパス(empath)」とは、empathy(共感)する力の強い人のことです。それも単に相手の考えに共感するのではなく、相手の感情やエネルギーを敏感に感じ取り、それに自分の心や体も無意識に反応してしまいます。自分の近くにいる人が腹痛で苦しんでいれば、自分のお腹が痛くなります。近くにいる人が怒りの感情を抑えられなくなれば、自分も怒りが頂点に達するのです。具体的にエンパス気質の人は次のような特徴があります。
〇人の話を聞いていると、相手の感情と自分の感情が混ざり合って、どちらが自分の感情なのかわからなくなる。
〇体調の悪い人と一緒にいると自分も具合が悪くなるので病院へ行くことが苦手になる。
〇他人の悪口を聞いているだけで自分の気分が悪くなる。
〇自分でも気づかないうちに相手の本音(意図)を感じ取り、そのように行動してしまう。
〇他人が怒られていると自分が怒られているようで苦しくなる。
〇残酷な事件や悲惨な事故現場のニュースが見れなくなる。
〇相手が何も言わなくても相手の本音や嘘がわかる。
〇長く一緒に過ごす人がいるとその人に似てくる。
〇土地や霊的なものの影響を受けやすい。
〇人混みが苦手になる
こういった特徴を持つエンパスは、医療関係者やカウンセラー、占い師などに多く、日本人の5人に一人はエンパスと言われています。
一方、HSP(Highly Sensitive Person)は心理学の概念で、神経がとても繊細で感受性の強い人のことです。HSPの人は具体的に次のような特徴があります。
〇自分の性格を周囲から“内気”と言われることが多い。
〇周囲の環境や生活の変化についていけなくなり、動揺しやすい。
〇一度に複数の仕事を抱え込むとパニックになったり混乱してしまう。
〇些細な失敗や相手の言動をいつまでも考え込んで気持ちを切り替えられない。
〇他人に振り回されやすく、人間関係に疲れてしまうことが多い。
〇芸術作品に触れて感動することが多い。
〇大きな音や強い光が苦手である。
〇一人で静かに過ごせる刺激の少ない場所を好む。
〇映画やテレビドラマの暴力シーンが苦手である。
HSPは全人口の15%~20%と言われています。HSPは環境や性格など後天的に形成されたものではなく、先天的な気質として備わっているものです。HSPは病気や障害ではなく生まれ持った気質ですので、治療することはできません。ただ、苦しいときには自分の行動や環境を変えることで、自分を楽にすることはできます。こうやって特徴を明記していくとHSPとエンパスが似て非なるものであることがわかります。そしてHSPの中にエンパスは含まれていると考えられています。(2)へ続く。