以前、原因不明の体調不良で悩んでいる方から相談を受けました。その方は眩暈や動悸、発汗、発熱にしばしば悩まされ、大きな病院で何回も検査を受けたのです。それでも原因はまったく分かりませんでした。そのため藁にもすがる思いで、神社仏閣や霊能者を訪ねて病気平癒のための祈祷もたびたび受けてきました。しかし状況は一向に改善されませんでした。
私はこの方の話を聞きながら嫌な予感がしていました。まず、この方の身体に出ている症状は、生霊や死霊など霊的なものの影響を受けたときの霊障と同じです。また、この方は病気を治したい一心で神社仏閣や霊能者を何人も訪ねたと話しています。神社仏閣の中には霊的に見て非常に悪いところもあります。霊能者の中にも詐欺的な商売をして人を騙すような人もいます。自分の信じる神様や仏さまにご加護を願うことは良いのです。しかし、悪い場所や悪人と接触をすることによって、そのものが持っている悪念を拾ってしまうこともあります。私はこの方やお住いの家や持ち物を確認するため、家まで伺いました。
家に着くと私はいつものように家の周囲や敷地の中を歩きながら、土地の波動を確認しました。土地にはまったく影響はありませんでした。ただ、家の中に入ったとたん、体調不良の原因はすぐに分かりました。家の中には悪念が大量に充満していたのです。それも思わず吐き気を催すほどのレベルです。これでは体のあちこちが悪くなることも当然です。普通は家の中に何か悪いものがある場合、その物から悪念が放たれていますから、そこから離れれば、影響は弱まります。しかし、この家では家中のどこにも悪念が満ちています。私は家の中を見回りながら、気になるものを手に取って、それをテーブルの上に並べていきました。
「今、ここに並べたものはすべて悪念を発しているものです。それが家の中にこんなにたくさんありますから、これでは体調が悪くなるのも当たり前です。これらはどこで手に入れたのですか?」
私は梵字のような文字が書かれたお札のような紙きれやパワーストーンのような石ころやガラス玉、木札や鉄製の鈴を指して依頼者に尋ねました。
「これらは神社や霊能者から買ったものです。これらを家の中に置くことで、悪いものは退散して良い運気が入ると言われました。これとこれは特に病気を治すことに有効だと言われ、非常に高いお金を払って買いました」
依頼者は直径20センチぐらいある石の丸玉と意味不明の文字と図柄が描かれたお札のような紙切れを指さして答えました。
「率直に申し上げて、これらのアイテムにおっしゃるような効果はまったくありません。さらに言えば、効果が無いだけでなく、あなたに悪影響を及ぼしています。それは彼らが売りつけたものには、悪人たちがまとっている悪念を入り込んでいるからです。あなたは悪念をプンプン発しているアイテムを家中に置いています。こんなものに囲まれて生活していては、体調が悪くなるのは当たり前です。すぐに処分してください。燃やせるものは燃やして、中に入っている悪念を霧散させてください。燃やせないものは私が悪念を抜きますから、その後でゴミとして捨ててください。これらが無くなることで相当体は軽くなると思います」
霊能者の言葉を信じていた依頼者は、一瞬躊躇して黙り込みました。私がテーブルに並べたアイテムは合計数十点はあります。きっと合わせて1千万円近い代金を支払ってきたのだと思います。しかし、しばらくすると意を決したように、重たい口を開きました。
「分かりました。シュンさんを信じます」
そういって処分に同意したのです。私は依頼者の気持ちが変わらないうちに、この返事を聞いた後、すぐにお札類は破りました。そして燃やせないものを目の前に並べて、室内にこもる悪念と共にきれいに祓いました。私のマントラを聞き終えた依頼者は、
「何だか家の中が明るくなった気がします」
そういって笑顔を取り戻しました。皆さんも家の中に置くものや自分の持ち物には十分に注意してください。怪しものを持つことは、効果が無いだけでなくあなたに災いをもたらすこともあるからです。