何かを購入したり、いただいたり、家に持って来てから、何もかもが上手く行かなくなったという人がいます。ひどいケースでは子供が受験に失敗したり、会社をリストラされたり、体調を崩して日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。特に自分で新品を購入したのではなく、拾ってきたものや中古品を購入した場合、そこに強い怨念や悪念が籠っていることがあります。
今までこのブログの中でもさまざまなものを取り上げてきました。川原から一見きれいな模様の入っている石を拾ってきた方は、それを庭に置いてからすべてが上手く行かなくなり、原因不明の病気になりました。黒地に真っ白な輪が2本入っている石は、足利尊氏などが用いていた家紋(二っ引両:ふたっひきりょう)そのものでした。この石には戦で敗れ、川原でこの石を掴んで死んだ武士の怨念がしっかりと残されていました。また、海外旅行のお土産としてもらった珍しいお面は人の顔の皮を剥がして作られたものでした。ジャングルの未開の奥地の部族が儀式で使っていた人型の人形は、実際には“呪詛の儀式”で対象者の身代わりとして呪詛の念を掛けられたものでした。私に相談される方は、皆さん深刻な問題を抱えています。その状況を改善するために、家にうかがったところ、こういった元凶を見つけることは時々あります。これらのものが家の中にあることで、体調も人生も上手く回らなくなることは皆さんにも想像できると思います。
先日、私に相談された方はJR京都駅の構内でとてもきれいな”飾り櫛”を拾いました。それは金や銀で櫛に豪華な蒔絵が描かれていました。和装にはピッタリの髪飾りでした。駅のトイレでこの櫛を拾った女性は、高価なものだと思い警察へ届けようと思いました。しかし、新幹線の発車時刻が迫っていたため、携帯したまま東京の自宅へ持ち帰ってしまったのです。そして次に京都へ出かけるときに届けるつもりでこの櫛を家に置いていたのですが、それから不思議なことが次々に起こりました。
まず、帰宅してから急に髪の毛がごっそりと抜けるようになったのです。朝起きると枕には山のように膨らんだ抜け毛の塊が残っています。髪の毛をとかしていていても何本も抜け毛がヘアブラシに残ります。心配になってすぐに皮膚科を尋ねました。しかし、明確な原因は特定できず、発毛を促す毛根刺激剤をもらって帰りました。そしてこの櫛を持って来てから就寝中に悪夢をみるようになりました。その内容な薄暗い竹林の中を小川が流れています。小川に沿って上流へ向かうと、板塀の中に大きな屋根の立派な住居が現れます。その家の縁側にはきれいな着物を着た女性が背中を向けて座っています。その女性は鏡へ向かって髪を梳いています。ゆっくりと近づいていくと女性はこちらの目線に気付いたように、突然振り返ります。女性の顔は赤黒くただれて片目は大きく腫れてふさがっています。腫れた目の上は前髪から頭頂部の髪がごっそりと抜け落ちています。その顔は四谷怪談で夫から毒を飲まされたお岩さんようです。その女性はこちらを睨みつけながらすぐに襲ってきました。両方の手で自分の首をグイグイと絞めてきます。その恐ろしい力の強さに全く抵抗はできません。もがき苦しみながら息が止まりかけたところで毎回目を覚ますのです。
起きると呼吸は乱れて全身に脂汗をかいています。そして首にははっきりと分かる手形が残されています。さらにこの方のお母さんが外出時に横断歩道で信号待ちをしていたところ、運転操作を誤った車が突っ込んできて重傷を負って入院しました。その時ドライバーは、
「着物を着た女性が突然、車の前に飛び出してきて、それを避けようとして急ハンドルを切った」
と話したのです。
この女性自身、この櫛を拾ってから何かがおかしくなっていることはよくわかっています。だったらこの櫛を警察へ届けるとか、お寺に預かってもらうとか、自分のところから手放せばよいのです。それも思っているのですが、何かに引き寄せられるように、どうしてもこの櫛を手放すことができないでいるのです。そして私にどうにかしてもらいたくて相談してきたのです。(2)へ続く