今、アメリカメジャーリーグ「ロサンゼルス・エンゼルス」で大活躍している大谷翔平君は、岩手県奥州市出身、1994年7月5日生まれの27歳です。大谷君は花巻東高校3年のとき、当時としては高校生最速となる160キロの直球を投げて注目されました。そして2012年のプロ野球ドラフトで、北海道日本ハムファイターズから1位で指名され、2013年に入団しました。入団後は投手と打者を両立する”二刀流”の選手として試合に出場。2014年には、投手として10勝を挙げ、打者としては10本のホームランを記録、日本プロ野球史上初となる”二桁勝利、二桁本塁打”を達成しました。さらに2016年には、日本プロ野球史上初となる投手と指名打者の2つの部門でベストナインを受賞して、この年のリーグMVPに選出されました。大谷君が投げた165キロの球速は、今でも日本人最速であり、日本プロ野球最速記録である。そして2017年オフに、ポスティングシステムでアメリカメジャーリーグの「ロサンゼルス・エンゼルス」に移籍。2018年には投打での活躍が認められて、日本人4人目のメジャーリーグ新人王を受賞しました。そして今年も開幕からメジャーリーグで大活躍を続け、今日現在で投手としては4勝1敗、防御率(=その投手が9イニング(1試合)を投げたら何点取られるのかを示す指標)3・48、打者としては81試合で打率2割7分9厘、32本塁打、12盗塁を記録している。32本塁打は、現時点でアメリカンリーグトップで、2位に4本の差をつけて本塁打王争いを独走している。ちなみに日本人のシーズン最多本塁打は松井秀喜が2004年に記録した31本である。大谷君はシーズン半ばにして、すでにこの記録を更新してしまったのだ。
そして7月13日に行われるメジャーリーグオールスターゲームには「指名打者部門」でファン投票で圧倒的1位に選ばれて、出場が決定。この試合では投手での登板も予定されていて、実現すれば、オールスター史上初の、二刀流での出場になる。今はまたコロナの感染が増加したり、大雨による災害が広がるなど、暗いニュースが多い中で、大谷君の活躍は唯一の明るいニュースとなっている。
そんな中、大谷君のあまりにも素晴らしい活躍に、一部のファンからは「大谷翔平は、ベーブ・ルースの生まれ代わりではないか」といった声が聞かれている。ベーブ・ルースとは「野球の神様」とか「アメリカ野球界最大の偉人」と言われている人物である。ベーブ・ルース(本名:ジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア)は1895年2月6日、アメリカメリーランド州ボルチモアに生れた。童顔であることから、赤ん坊のbabyをもじったbabeと呼ばれていた。メジャーリーグで初めて1シーズン50本塁打以上を達成し、1927年に記録したシーズン60本塁打は、1961年にロジャー・マリスに破られるまで34年間メジャーリーグ最多記録であった。そして生涯通算本塁打714本は、1974年にハンク・アーロンに破られるまで、39年間メジャーリーグ最多の通算本塁であった。そしてベーブ・ルースは投手としても素晴らしい活躍をしている。1916年には年間23勝、翌1917年にはシーズン24勝も挙げている。メジャーリーグ通算勝利数は94勝である。ベーブ・ルースは12回の本塁打王と打点王6回、首位打者を1回獲得しているが、1916年には最優秀防御率のタイトルも獲得している。まさに二刀流で大活躍した先駆者であることから大谷君と比較されている。
さて、大谷君がベーブ・ルースの生まれ代わりかどうかというと残念ながらその可能性はないだろう。大谷君は身長193センチ、95キロ。ベーブ・ルースは身長188センチ、97キロ。体型も顔も全く共通点はない。そして私も輪廻転生は確実にあると考えているが、ほとんどの場合、日本人は日本人に生まれ変わっている。私が見てきた中では、日本人が欧米人に生まれ変わったり、その逆も見たことがない。したがって大谷君がベーブ・ルースの生まれ代わりであるということは考えられないが、野球の神様に少しでも近づけるように、これからも成長を続けてもらいたいと思っている。頑張れ、大谷君!