「プランタンなんば」では、閉店後に店内に残って仕事をしていると、毎回決まった時間に

「火災発生、火災発生」

という館内放送が流れることがありました。また、この館内放送に泣き声や助けを求める悲鳴が入っていることもありました。その時刻は火災が発生して多くの人が命を落とした22時50分前後だということです。

 

また、ある時は仕事が長引いてしまい、閉店時間を大きく過ぎて、テナントの店長とアルバイト店員がお店を閉めました。二人は館内を出るためにいつものようにエレベーターへ向かいました。しかし、その日はそこにあるはずのエレベーターにどうしても辿り着けません。困った二人は同じフロアに残っていた人たちに尋ねて、何とかエレベーターへ辿り着きました。しかし、アルバイト店員がエレベーターに乗り込むと、店長の姿が見えません。アルバイト店員は、店長は先に帰ったものと思い自分も帰宅しました。しかし、店長はその時以来、行方不明になって見つかりませんでした。今にして思えば、ほとんどのテナントが閉まっている時間に、フロアにどうしてたくさんの人がいたのかも謎でした。その人たちは本当に生きていたのか、或いは無念の思いでその場所にとどまっていた魂なのか、今となってはそれは分かりません。

 

他にも閉店後に、エレベーターが誤作動したり、いきなり停止した後に、

「助けて~ 助けてくれ~」

という悲鳴を聞いたという店員が続出しました。そのため「プランタンなんば」では、スタッフ全員の一斉退社やお守りや数珠を携帯させたり、閉店後に館内にお経を流すなどの対策が取られたそうです。しかし、「プランタンなんば」は一向に売り上げを伸ばすことは出来ずに、名称を「カテプリなんば」に変更した後、2000年に閉館することになったのです。そして2001年、この場所に「ビックカメラなんば店」」がオープンして現在でも営業を続けています。

 

ビックカメラでは、オープンに当たってかなり大規模なお祓いを行いました。そして従業員の通用口には被害者を供養するための祠を建てました。そして店内は風水にしたがって改装しました。5階から6階のエスカレーターは、7階で亡くなった霊が下に降りてこないように、途中でわざと向きを逆にしました。それでも店内のトイレでは、ドアをたたかれて外に出ると誰もいなかったとか、ドアの下に足だけが立っているなどの怪現象が続出しています。また、霊感の強い人がトイレに入ると、喉が焼けるように熱くなったとか、体中が熱くて汗をびっしょりとかいたといった怪現象が報告がされています。それは私がなんば駅へ向かう途中で受けた霊障と同じです。

 

また、ビックカメラの隣の千日前アーケードでも怪現象は多発しています。火災で亡くなった118人のうち、24人はアーケードの屋根に飛び降りた際に、頭蓋骨骨折や全身を強打したことによって亡くなっています。そんな悲惨な出来事があったためか、千日前アーケードでは、昼夜を問わず、屋根に何かが落ちる“ドカン”という物音がしばしば聞かれています。

 

元々この土地は江戸時代には“千日墓地”と言われて、刑場や焼き場が隣接されていました。そのため近隣には今でも墓地やお寺が残されています。この土地の因縁もこの凄惨な大火災には無縁では無かったように思います。今となっては亡くなられた方々のご冥福をお祈りするしかありません。