先日、あるスポーツの試合で、「息子が活躍してチームが勝てるようにパワーを送ってほしい」と頼まれました。たとえばスポーツで身を立てようとしている高校生にとって、県大会や地区大会で好成績を収めて、全国大会へ出場することは大きな試金石になります。うまく全国大会に出場出来て、そこで活躍できれば大学や実業団チームのスカウトの目に留まります。そして強豪チームで活躍できれば、プロを目指すことも、大手企業のチームに所属することもできます。そうなれば自分の大好きなスポーツが仕事になります。子供の頃からの大きな夢が叶うことになります。それは本人にとっても親御さんにとっても重大な問題です。だから私をベンチ裏に待機させて、勝負どころのポイントではパワーを送り、好結果が出ることを期待しているのです。
以前にも触れましたが、このような依頼は今までにも何度か受けています。たとえば野球の試合で10対0で勝っているとか負けているような試合は、私がどれだけ必死でパワーを送ってもその結果を変えることはできません。しかし、1点ビハインドで迎えた9回裏2アウト満塁で、レフトとセンターの間に上がった外野フライは、打球が5センチ右にそれたか左に落ちたかによって、結果を根本的に変えてしまいます。このときの結果を変える5センチは、人智の及ばないところで決定されます。そんな瞬間に、私の思いが通じることがあります。同様にバスケットボールで1点差で迎えた残り1秒で、リングに向かって投げたボールがリングに当たって、中に入るのか外に弾かれるのは1センチの違いで決まります。この1センチも人智の及ばないところで決まっています。子供の頃から何年間も頑張ってきた努力が実るのか破れるのかは、往々にしてほんのわずかな違いによって決まってしまいます。この5センチや1センチが後の人生を左右してしまうことが往々にしてあるのです。
ですからそのことを肌で感じている人たちは、本番の前に私に依頼してくるのです。これはスポーツだけでなく、音楽のコンクールや演奏会、中学・高校・大学の受験や資格試験、会社の入社試験など様々な場面で起こります。コンテストや試験の結果も、その合否は多くの場合、ほんのわずかな違いで決まります。最初から明らかに実力が足りないような状況では、最初からそこにチャレンジすることはないからです。
人生は選択の連続です。人は毎日何十、何百という選択・判断を意識的にも無意識のうちにもしています。その選択・判断がわずかにずれたことによって、5年後、10年後の人生が大きく変わってしまうことがあります。1本のレールの上を走っていた電車がポイントで左右に分かれて進んでいきます。2本に分かれたレールの間は、最初は10mとか100mしかありません。しかし、2時間、3時間と走り続けていくうちに、2つの電車の間には、何十キロという開きができてしまいます。
最近、投資家の方から相談を受けました。私から見てその方は投資家として成功する素養を持っています。ただ、投資家として成功するのは並大抵ではできません。今は預金を銀行に預けていても金利は付きません。雇用もいつまで保たれるのか将来に不安が溢れています。ですから自分の資産を上手く運用して少しでも増やしておきたいと考えるのは、ある意味当然なのかもしれません。ただ、私のイメージでは、株式やFX(Foreign exchange:外国為替証拠金取引)等の投資で結果として利益を出せている人は全体の1割です。9割の人は投資した資金を減らしてこの世界から撤退しています。9割の人の出したマイナス分を1割の勝者が手にしている世界です。ですから勝者はマスコミが取り上げるような、とてつもない利益を手にして優雅な暮らしを謳歌しています。その場面だけを見れば、多くの人はその生活に憧れを持って、そこに近づけるように勉強を続けています。私も主婦やサラリーマンの方から、「自分が投資家として成功できるのかどうか、それを見てほしい」と霊視鑑定を頼まれたことがたくさんあります。そして私の回答は9割の方に、やめるように伝えました。資金を減らしてしまうことは誰も望まないからです。では私が今回相談を受けた投資家の方に、成功をイメージできたのは、具体的に何を感じたからでしょうか。その辺りは次回でまたお伝えしていきます。(2)へ続く。