私には一年を通してさまざまな相談が寄せられます。霊に起因して引き起こされている問題は、その対応は概ね決まってきます。ただ、霊の影響がない中で起きている問題は、その多くが“人間関係(=人と人との関り)についての悩みになります。結婚や恋愛、また親族や社内の人との関りも、これらはすべて、広い意味での”人間関係の悩み“と捉えることができます。

 

最近、私が受けた相談の中で、勤め先での人間関係に悩んでいる方が何人もいました。仕事を持っている多くの大人にとって、睡眠時間以外の起きている時間の大半は仕事をしています。ですから職場の人間関係はそれだけ重要な問題になります。人間関係が上手く行かなくなれば、出勤すること自体に苦痛や嫌悪感を感じるようになります。会社へ行っても仕事に臨む意欲は減退してモチベーションは下がります。その状態で仕事をすれば、視野は狭くなってミスが出てきます。そのミスを叱責されてまた、やる気は無くなります。それを繰り返していれば、いずれは自分の居場所は無くなり、会社を辞めることになります。或いはそれでも頑張り続けた結果、心が折れて、うつ状態になることもあります。そうやって心身が不調に陥ると、回復するまでに年単位の時間を要することもあります。ですから職場での人間関係は、どこの会社でも誰にでも起こる問題ですが、決して軽く見ることのできない重要な問題なのです。

 

私が人間関係の相談を受けた時に、まず最初にするのは、そこに霊の影響が出ているのかどうかの見極めです。霊障はさまざまな形で降りかかってきますが、霊の影響はその人を孤立化へ向かわせます。ですから霊の影響で職場や家庭の人間関係が崩壊するケースは数多くあります。そこで霊の影響によるものなのかどうかを判断しないと有効な対策は立てられません。そして人間関係の問題に霊が関係していない場合、相談者や問題の当事者の性格や考え方・生き方を感じ取っていきます。それは一口に人間関係の問題と言っても、相談者や相手の状況によって対応策は180度異なるからです。人間関係に、どのような相手でも、どのような状況でも一様に解決できる魔法のような特効薬はありません。それぞれの状況を踏まえた上で有効な解決策を提示していかなければなりません。

 

そして問題の相手がこちらの態度や行動によって上手くやっていける人なら、こちらがどのような言動を取ったら良いのかを具体的にお伝えします。逆に波長が根本的に離れている人のように、こちらがどのように接しても上手くやっていくことができない人なら、仕事上、必要最低限のコミュニケーションを取って、上手くやり過ごしていくようにアドバイスします。今回、私が相談を受けた方々には、それぞれに有効と感じられた別々の方法をお伝えしました。

 

最初の方はまだ、20代の女性ですが、職場の先輩女性社員から社内いじめのような扱いをされていました。この先輩は、上司が見ている前では、分からない仕事でも丁寧に教えてくれて、とてもやさしく接してくれるのです。そのため先輩社員は上司からは、とても高く評価されています。しかし、先輩の上司がいなくなると、途端に態度が高圧的になって、後輩の前で威張り出すのです。過去にした失敗をいつまでもほじくり返して、「そんなミスをするのは仕事に気持ちが入っていない証拠」とか、「やる気が感じられない」と言っていびり続けてくるのです。自分がしてしまったミスが発端になっていますし、先輩の性格も分かってきたので、最初は出来るだけ気にしないようにしていました。ただ、先輩は、後輩たちに”アドバイスをするとか”とか、”指導をする”と装いながら、実態としては嫌味を言ったり、罵るだけで何も役に立つことは教えてくれません。それが毎日のように続いているため、最近では夜になると、朝が来るのが怖くて眠れなくなりました。食事も取れなくなって体重は5キロも瘦せてしまいました。それで先々が不安になって私に相談してきたのです。(2)へ続く。