先日、出張鑑定で埼玉県の川越市まで行きました。鑑定はお昼前に終わりましたので、関越自動車道で花園インターまで足を伸ばして、長瀞へ行ってきました。目的は秩父郡長瀞町にある“宝登山神社”へ行くためです。秩父には三十四か所の観音霊場があります。このエリアにはパワースポットを求めて何か所か足を運んだ場所があります。ただ、秩父三社と言われる三峯神社・秩父神社・宝登山神社の中でここだけ足を運んだことがありませんでしたので、いつかは訪れてみたいと以前から思っていました。川越からは車で1時間ぐらいで来れますので、この日の晴天にも誘われて足を伸ばしてみたのです。

 

この神社のご祭神は、神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと:初代天皇=神武天皇のことです)。大山祇神(おおやまねずのかみ:水や動植物など山の幸を無限に恵み給う神)。火産霊神(ほむすびのかみ:火を司る神です)になります。分かりやすく言うと、初代天皇と山の神と火の神を祀っている神社です。

そして日本武尊をお助けしたとされる山犬(大口真神:おおくちまがみ)が眷属(けんぞく=稲荷神社のキツネや八幡神社のハトのような神の使いの動物)となっています。この神社は、火災盗難除け、諸災厄除け、家内安全、商売繁盛、金運など、さまざまな利益があるとされています。ちなみに外国人観光客にその国の名所を紹介する「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星を獲得しています。

 

まず、最初に驚いたのは秩父鉄道長瀞駅のすぐ先に大鳥居が建てられていることです。この立地でしたら電車で来ることも全く苦になりません。そして大鳥居をくぐって中に入り、二の鳥居を抜けて階段を上ると宝登山神社本殿が正面にあります。さらに本殿の周囲には、地蔵菩薩を安置した”玉泉寺”や本社とゆかりのある日本武尊の御神霊を祀る”日本武尊社”、さらには学問の神様である菅原道真公をお祀りした”天満天神社や水神社・招魂社などさまざまなお宮が置かれています。私はこれらすべてに参拝した後、急こう配の坂道を上り続けて、山頂へ向かうロープウェイの宝登山麓駅に着きました。ここからは標高差236mを約5分で結んでいるロープウェイに乗って、一気に宝登山頂駅に到着します。そしてここからさらに急坂を登り、山頂にある”宝登山神社奥宮”へお参りしたのです。

 

ここまでの道のりは、傾斜のきつい上り坂の連続で、運動不足の私にはかなり厳しいものでした。足の筋肉や膝が震えて途中で何度も休みながらの道中でした。ただ、足腰は堪えましたが、息を吸うたびに鼻から肺に浸透する空気がとても清々しくて気持ちが良いのです。山頂からの素晴らしい景色を眺めながら、暖かな春の日差しを浴びていると、重たい気持ちは自然に抜けていきます。そして爽やかな空気を吸って呼吸をするたびに身体がどんどん活性化していくようでした。この場にいるだけで心身がどんどん元気になって行く感覚は、まさに”パワースポット”だったのです。ここに来る前にインターネットで宝登山神社の画像を何枚も確認していましたから、“きっと良いところだろう”と想像はしていました。しかし、私の期待以上に、清々しくてパワーをいただける気持ちの良いところでした。

 

山を降りる前に扇子のおみくじを引いてみました。私は神社に来てもおみくじはめったに引きません。おみくじで運試しをするつもりはありませんし、神社に来た目的は別のところにあるからです。さらに言えば、子供の頃に何度かおみくじを引いた記憶はあります。その結果、凶や大凶は記憶にありませんが、いつも小吉とか末吉といった今一つだったように覚えています。それが珍しく”大吉”を引き当てました。私はまた一つ、自分のパワースポットが増えたことに大満足して、ゆっくりと帰途につきました。