以前、家の中でひどい霊現象が起こっているという方から相談を受けました。その方は2階建ての木造の戸建て住宅に住んでいます。床や壁や天井から、ミシッという異音が一日中しています。いきなりブレーカーが落ちて家中の電気が消えたり、電球はすぐに切れて使えなくなります。WiFiが切れて、通信できなくなることや電話での通話に妙な雑音が入ることもしばしばあります。玄関に設置した”人感センサー”は誰もいないのにしばしば点灯します。私は相談者の方にまず、家の中や庭の画像を撮って送信するように伝えました。
その方は私の指示にしたがって10数枚の画像を送信してきました。私は1枚1枚じっくりと確認していきました。その中に1階の和室を写した画像があります。廊下から良く異音がするという和室の隅を写したものです。そこには窓が写っていました。ただ、よく見るとその窓には、和服を着た男性が窓の外に立って恨めしそうにこちらを睨んでいます。目線が合っていますから、撮影している相談者を窓の外から睨みつけているのです。私はこの画像を事務所のスタッフに見せました。すると誰もが窓の外に立っているこの男性に気付きました。それだけハッキリと霊体が写されているのです。私がこのことを相談者に伝えると、相談者も自分のスマホに残されたこの画像に気付いていました。私はその家の敷地内には強い恨みの念を抱いて死んでいる不浄霊がとどまっていると話しました。
しかし問題はここからです。この画像を撮影した相談者は、写した後から発熱や背中の痛みが続いて、医者に行っても原因は分からず、改善されませんでした。霊障が続いていたこの家にいても、ここまで体調が悪くなったのは初めてでした。相談者の方は、家の外から霊障を引き起こしていた不浄霊が、スマホで画像を撮影してから家の中に入り込んでいるように感じていました。私はその言葉を聞いて
「私に送信するために撮影した画像をすべて消去するように」と、
伝えました。窓の外にいた不浄霊がスマホに写り込んでしまったとすれば、スマホが家の中にあれば、今までよりも強く悪影響が出ることはあり得るからです。
しかし、それから何時間かして、相談者から、かなり緊迫したメールが届きました。そこには
「シュンさん、言われた通りにあのときに撮った10数枚の画像をすべて消去したのですが、和室の窓に男が写っているあの画像だけが消せません。何度もやったのですが、あの画像だけ残ってしまいます。どうしたらよいのでしょうか」
私にはこの方の恐怖や焦りがひしひしと伝わってきました。そしてある不安が頭をよぎりました。そこで相談者にすぐにメールを送りました。
「落ち着いてもう一度、その画像をよく確認してください。撮影した時と比べて何か変化があれば教えてください」
するとすぐに返信が届きました。
「シュンさん、何か窓の外の男の姿が、以前よりも大きくなってハッキリしてきたように思います。また、顔の表情も変わっています。目つきが前よりも鋭くなって、怖い顔になっています。いったいどうなっているのでしょうか」
相談者が不安に震えていることは明らかでした。私は一言返信しました。
「それは生きているからです。窓の外の男はスマホの中で生きています」
私の不安は悪い意味で的中したのです。
”念写”という超常現象があります。それは心の中に思い浮かべている観念を印画紙などに画像として焼き付ける一種の超能力のことです。観念を画像として焼き付けることができるように、その男の心(思い)を画像として取り込むこともできるのです。私は相談者にすぐに伝えました。
「その男があなたの家系やその土地に殺したいほどの憎しみを抱いていたとすれば、その思いは画像の中で増幅されて実態としてこの世界に現れてくる可能性もあるのです。ですからスマホの画像は絶対に開かないでください。次に見た時にはさらに男の姿が大きくハッキリして、表情も恐ろしく変化しているはずです。それでも画像を開き続ければ、最終的にはその男はスマホから飛び出してあなたを襲ってくる可能性もあるのです」と。(2)へ続く。