2010年、京都市内の病院などで子供3人の点滴に水道水などを混ぜて死傷させたとして母親が逮捕され、傷害致死罪などで懲役10年の実刑判決を受けました。被害者の治療を担当した医師によると、母親はベッドサイドをいつも清潔に整え、子供の身なりにも気を配る”良い母親”と周囲からは思われていたそうです。母親は医師や周囲から”特別な母親として見られて居心地が良かった”と供述しています。

 

昨年にも大阪市内の病院で、生後2か月の長男の口に血液を含ませて嘔吐させたとして母親が逮捕されました。母親は昨年1月、”長男が発熱した”として来院して、長男はそのまま入院しました。その後、約1か月半にわたる入院期間中に、口から血を吐く症状が20回以上もありました。ただ、病院で検査しても、長男には吐血につながるような病気は見つかりませんでした。そのため病院から”虐待の疑いがある”として、大阪府警に通報が入り、傷害容疑で母親が逮捕されたのです。

 

2008年にも京都大学医学部付属病院で、1歳の娘の点滴に注射器で腐敗した飲み物を混入させて殺害しようとしたとして、母親が殺人未遂容疑で逮捕されました。この子供は前年に岐阜市内の病院を受診後に、京都大学病院に転院してきました。検査の結果は通常では検出されない4種類の細菌が血液中から見つかりました。また、尿からも有機化合物のような物質が検出されたため、病院は病室内に監視カメラを設置しました。その結果、母親の不審な行動が映っていたため逮捕に至ったのです。

 

1998年には、福岡県久留米市で1歳半の女児が嘔吐や下痢、痙攣などの症状で入院したものの1週間で退院しました。しかし、その1か月後に、女児は意識障害を起こして揺さぶっても目を開けず、発作が起こっているという母親の通報で救急搬送されたのです。医師は抗てんかん剤を少量投与したところ、いきなり血中濃度が高まって中毒状態に陥りました。これは同じ薬が大量に飲まされている可能性が高いため病院が調べると、母親が自分の神経痛のために二つの病院からその薬を処方されていたことが分かりました。また、女児は母親から1日に2リットル以上も水を飲まされていたため、水中毒による低ナトリウム血症を起こしていました。女児の担当医師によると、母親は”うちの子供って難しい病気なんでしょう”と繰り返し尋ねてきたということです。

 

また、アメリカでは2005年8月にハリケーン・カトリーナがアメリカ南部を襲う中、髪の毛の無い車いすの娘ジプシーと母親のディーディーが奇跡的に救助されました。ジプシーは知的障害や白血病、筋ジストロフィーなどの難病を患っていました。シングルマザーのディーディーはそんな娘を献身的に支えていたのです。この親子には全米から支援の手が差し伸べられました。支援物資や募金、そして一軒家まで寄付されたのです。

 

しかし、その10年後に、ディーディーは何者かに殺害され、ジプシーは恋人のニコラスと共に行方不明になりました。ジプシーはやがてニコラスの家で無事に保護されましたが、警察は二人をディーディー殺害の疑いで逮捕・起訴したのです。

 

実はジプシーは生まれた時から健康体で病気には一切かかっていませんでした。ただ、ディーディーに幼い頃から洗脳されて、また、壮絶な暴力によって病人にされていたのです。髪の毛を剃り上げられて、毎日、大量の薬を飲まされて手術まで受けさせられていたのです。ジプシーはニコラスにディーディーの殺害を依頼しました。ニコラスはディーディーを17回刺して殺しました。禁固10年の刑を受けて服役したジプシーは”刑務所では今まで知らなかった自由を味わっている”を語りました。