生霊を飛ばすときは、矛盾した2つの条件が必要になります。一つは自分の意識の中に相手に対する強いネガティブな思いが刻み込まれていることです。それは憎しみや恨みや嫉妬などの強い感情です。そしてもう一つは生霊を出すときの脳の波長はアルファ波であることが必要です。
脳波とは脳の活動を100万倍に増幅して記録した波形のことです。その時の精神状態を表わしてそれを数値化したものです。人が目を閉じて静かにリラックスしているときに大きくなるのがアルファ波です。逆に脳が活動しているときはベーター波が大きくなります。また、シータ波は睡眠時に大きくなり、ガンマ波は深い睡眠に入った時に大きくなります。つまり、アルファ波はリラックスしている良い状態でなければ出ない波長なのです。
誰かを恨んで意識の中に強いネガティブを持っている状態と、静かにリラックスしている状態とは相容れません。つまり、憎しみの対象になる相手へ意識的に生霊を飛ばすことは普通は出来ません。出来るのは瞑想や座禅などによって意識的にアルファを出す訓練を積んできた人だけです。それでも生霊がしばしば問題になるのは、出している本人も気付かないうちに、無意識のうちに生霊を飛ばしているからです。
たとえば湯船につかってリラックスをしているときに、ふとネガティブの対象となる相手を思い出してしまったようなケース。或いは朝起きて、まだ頭がボンヤリしているときに、何気なく相手の顔が浮かんでしまったようなケース。そんな瞬間に生霊はその人から飛び出して、憎しみの相手を目指して飛んで行くのです。
ですから飛んできている生霊を止めることは容易には出来ません。もし、生霊を出している相手を特定して、生霊を出さないように話したとしても、本人は無意識にやっていることですから、生霊を出している自覚はありません。さらに今お話ししたように、生霊が飛ばされるメカニズムに自分の行動の良し悪しは関係していません。たとえばあなたが不正を働いて自分を貶めていると思い込んで生霊を出している人がいたとします。それは相手の間違った思い込みで、あなたは実態として何ら不正を行っていなかったとします。しかし、事実がどうであるのかは、相手が生霊を飛ばすこととは関係しません。つまり、あなたが何ら間違った対応をしていなかったとしても、相手が勝手に思い込んで、生霊が出る2つの条件が揃えば生霊はあなたへ向けて飛んでいくのです。
以前、たまたまランチを取りながら会社を経営している男性と仕事の打ち合わせをしていた女性がいました。この男性は長年にわたってさまざまな女性と浮気をしてきました。そのことで男性の妻はいつも苦しめられてきました。打ち合わせが終わって男性と一緒にレストランを出た女性は、そこで男性の妻とばったり会ってしまいました。女性は男性の妻に普通に挨拶をしましたが、妻は挨拶を返すこともなく、憎しみに満ちた目線でこの女性を睨みつけました。男性の妻は夫がまた新しい女性と浮気を始めたと思いこんだのです。そのような事実は一切ありませんでしたが、この日からこの女性は男性の妻の生霊に悩まされることになりました。それもそれから何年間にもわたって生霊は飛んできたのです。
飛んできていた生霊が自然に飛ばなくなるには、飛ばしていた相手が幸せになることが必要です。自分が幸せになれば誰かに嫉妬することも恨みを募らせることも無くなります。そのときこの問題は解決します。ただ、人に生霊を飛ばすほど、人を憎んだり恨んだりする人は、その性格ゆえになかなか幸せな未来を掴むことは難しいのです。そうなると何か霊的な対策を講じない限りは、生霊の問題は解決が付かないのです。(3)へ続く。