以前、病気で長期入院している方のご家族から、

「ここ2か月ぐらいで父親の霊感が急に鋭くなっているようなんです」

と相談を受けました。この方によると、病院にいて家族や家の状況は何一つ分からないはずなのに、今抱えている家族の問題をズバズバ指摘してくるのです。さらにはその対応の仕方まで指示してきます。それはまるで家族や家の今と未来がはっきりと見えているようでした。お父さんのアドバイスは子供としてとても助けられました。それでも度々当てられてしまうと、どうしてそうなっているのか、不思議を通り越して怖くなってくるというのです。

 

事故や病気で入院している方が霊感が鋭くなって、“さまざまな問題を言い当てた”という話は時々耳にします。配偶者が入院しているときに、浮気相手とデートをしていた方がいました。その方が浮気相手とデートをした翌日にお見舞いに行くと、

「昨日、男(女)と会ってただろう!」と、

ずばり指摘をされてしまい、内心ハラハラしたと私に相談してきました。その人は自分には盗聴器や発信機が付いているのではないかと思い、私にその場所を教えてほしいと連絡してきたのです。

 

他には配偶者の入院費をどうしても作ることができずに、配偶者の親族に頭を下げてお金を借りた人がいました。そのあとでお見舞いに行ったときに入院費の話になりました。病人に心配はかけられませんから、

「入院費は貯金を下ろした」

と話したところ、その言葉はまったく信用されませんでした。そしてお金を借りた親族の名前を挙げて、

「あいつにお金を借りてきただろう」

とはっきりと断言されたというのです。

 

他にも父親の入院中に海外旅行へ行く予定のあった娘さんに

「今は旅行に行くと危ない、特に海外は。事故に遭うといけないから、やめるように伝えてくれ」

とお父さんが妻に話しました。娘さんの旅行のことは一言も話していなかったので驚きましたが、娘さんはもう予約を入れているので、お父さんの忠告を無視して、友人と旅行へ出かけました。そして、旅行先でお父さんの言葉通りに交通事故に遭って、言葉の通じない外国で入院することになったのです。

 

以前にもこのブログで触れましたが、人間は事故や病気になって命が危険になった時、自分が持っている能力をフル回転して、命をつなごうとするのです。霊的な感性は、本来は誰にでも備わっている能力です。それは今の時代を生きることは必要のない力です。生きるために必要のないものは、自然と退化して眠ってしまいます。それでもその能力は私たちの体の中にしっかりと組み込まれています。事故や病気が重篤な状況になればなるほど、霊的な感性は覚醒する可能性が高まります。これは自分で意識して行っていることではありません。心臓が何も意図しなくても動き続けているのと同じように、自分で開こうとしなくても自然に覚醒してしまうのです。それは“悟りを得ることを目的に山にこもって厳しい修行をする修験者”や“仏教の教えを学び悟りを開くために修行を続けている修行僧と同じメカニズムです。命を危険にさらしてまで苦行を続けていくと、そのことによって命をつなぐスイッチがオンになって、霊的な間口が開くことがあるのです。重い病気で入院している人は病室から出ることは出来ませんが、健康な人よりも周囲の状況が良く見えていることもあるのです。