霊と遭遇した時、その現れ方はさまざまです。夜、泊まったホテルのベッドで寝ているときに、変な臭いがして目を覚ましたことがあります。ベッドに横になったまま、何気なく寝返りを打つと、顔の前、わずか10センチぐらいのところに血まみれの霊の顔が現れたことがありました。悲鳴は上げませんでしたが本当に驚きました。同じように夜、道を歩いているときに、ふと人の気配を感じて後ろを振り返った時、私の真後ろに霊が立っていて、こちらを睨んでいたことがあります。これらは明らかに私を驚かせようとしています。いつもお伝えしているように霊は肉体が無いだけで生きている人間と同じです。怒りや悲しみを抱いていることもあれば、感情もあります。ですから様々な意図を持って生きている人間に関わってきます。
穏やかな気持ちや優しさにあふれた状態で亡くなった場合、その魂は亡くなった後、いずれ現世を離れてあの世へ上がります。そこで生きていた時の記憶を消されて、来世へ生まれ変わります。いわゆる“輪廻転生”をしていきます。ただ、この魂のサイクルから外れて現世に長くとどまっている魂は、非常に強いネガティブな思いを抱えています。ですからそのような霊と遭遇したことに、暖かさや優しさを感じることはありません。憎しみや悲しみや恨みの念を抱えて、いつまでも現世にとどまっています。
今、お話ししたように生きている人間を驚かせようとする霊もいれば、怖がらせようとか、不安にさせようとして関わってくるものもあります。以前、このブログで紹介したように、遠くのビルの窓からこちらを睨んでいた霊が、しばらくすると道路の反対側からこちらを見ていたことがありました。すると今度は私が歩いている歩道の前や後ろからこちらを見ています。少しずつ距離を縮めてきているのです。いつの間にか近づいてきた霊は、私が家を出るときに、マンションのエントランスで遭遇したのです。やがてマンションの同じフロアの廊下で出会った霊は、家の玄関まで迫ってきました。ただ、私の家は何重にも結界を張っているので簡単に侵入できないようになっています。すると、結界の張っていない宿泊先のホテルや実家にいるときに、今度は家の中からこちらを見つめているのです。室内の部屋のドアを開けた時にその外側に立っていたり、風呂場のドアを開けた時に、そこにいるようになります。そしてついにはクローゼットの扉を開けた時にこちらを睨みながらその中に座っているのです。
先日、私に相談した女性も同じような体験をしていました。その方は夜、自分の部屋で寝ているときに、ときどき霊を見るようになっていきました。霊を見るときはほとんどの場合、“金縛り”に逢っています。目ははっきりと見えるものの、手足や体を動かすことはできません。
最初、その霊を見た時、霊は背中を向けて部屋のドアのところに立っていました。テレビで見たことのある戦争中のモンペ姿の女学生です。それからしばらくして次に見たこの霊は、体を少し横に向けていました。そのため結んだ髪の毛の先に左の耳が後ろからわずかに見えました。さらに次に遭遇すると体も顔も完全に横を向いていました。横顔がはっきりと見えたのですが、左耳は上半分が裂けて下の部分で顔とつながっています。耳の横の頬の辺りが大きくへこんでえぐれていました。左目の辺りは赤黒くて、本来付いているはずの目もはっきりとは確認できませんでした。そして次に見ると顔はさらに前方へ傾きました。口から額にかけて顔の左側が欠落していました。何か大きな力で吹き飛ばされたように無くなっています。体の左横で爆弾が破裂したように感じました。そしてこのまま進めば、次に遭遇した時には、この女学生の霊を正面から見ることになります。そのときはきっと傷ついた顔をただ見るだけでなく、何か自分に危害が加えられるのではないかと不安になったのです。その恐怖心から耐え切れずに私に相談してきたのです。
私はすぐに除霊を行い、部屋には霊符を貼って女学生の霊が入り込めないように部屋をふさいだのです。この霊は自分の傷ついた体を見せることで自分の悲しみや無念さをこの方に分かってもらいたかったのです。霊的な波長が近いことと容姿が似ていることからこの方をターゲットにしてやってきていたのです。