アメリカの大統領選挙が終わりました。開票作業はほとんど終了しました。今、私がこのブログを書いている時点で、バイデンさんがトランプ大統領を大きくリードしています。ただ、トランプ大統領は、投票の集計過程で不正があったと主張しています。そのため訴訟すると話しています。そう考えると次のアメリカ大統領が決まるまでにはまだ曲折がありそうです。

 

2016年に大統領になったドナルド・トランプさんは第58代のアメリカ大統領です。ですから今回の選挙は第59代目のアメリカ大統領を選ぶ選挙になります。ジョージ・ワシントンが初代大統領になったのは1789年です。日本では寛政年間に入り、松平定信の寛政の改革が行われていたころです。それから今日に至る間に社会もメディアも大きく様変わりしました。それでも日本のメディアがこれだけ大々的にアメリカ大統領選挙を報道したのは初めてではないでしょうか。何しろ投票日前からニュースやワイドショーでは専門家を呼んでこぞって選挙結果の予想を行いました。そして投票日当日は各局共に朝からニュースでもワイドショーでも大統領選挙の開票速報を繰り返し流していました。

 

一見するとアメリカの大統領に誰が選ばれても私たちの生活には大きな影響はないように思われます。しかし、直接的な影響はなくても、間接的にはこの選挙結果は私たちの生活を大きく左右するものになります。たとえば外交を見ても、アメリカ第一主義を掲げて、同盟国であっても負担を強いる保守派のトランプ大統領と、中国や中東政策でも協調を重視するリベラル派のバイデンさんではおのずと政策が異なります。日本は貿易によって成り立っている国ですから、世界最大の経済大国の動向は日本の景気にも大きな影響を与えます。日本の景気が左右されるということは、皆さんがお勤めの会社の業績にも影響が出ます。会社の業績が左右されるということは、皆さんの給料やボーナスにもその影響が反映されることになります。つまり、一見すると私たちの生活に何の関係もない太平洋の向こう側の選挙であっても、その結果が私たちの収入にもダイレクトに影響してくるのです。ですから日本にとって良い結果が出ることを願います。

 

このようなことは人生のあらゆる場面で起こっています。まったく関わりのないと思う人と、実はご縁によってつながっていることがあります。自分には関わりが無いと思う出来事が、実は自分に関係していることはしばしばあるのです。たとえばジャイアンツが優勝したことは、特に野球ファンでなければまったく関係のない出来事です。しかし、ジャイアンツが優勝したことによって、機嫌を良くしたお父さんが、息子が以前から欲しがっていたゲームソフトを買ってくれるかもしれません。その結果、息子はそのゲームにのめり込んで、毎日ゲームをしているうちに、いつの間にかクラスで一番のゲーム上手になるかもしれません。勉強でもスポーツでも遊びでも何か秀でるもののある人は、そのことによって周囲から一目置かれる存在になります。それが自信につながって、その効果が勉強やスポーツに波及することも良くあります。もし、この息子が今まで友達からバカにされていたとしても、クラスのゲームチャンピオンになってから、同級生がゲームの攻略法を尋ねに来るかもしれません。そこから良い人間関係が生まれることだってあるのです。つまり、ジャイアンツの優勝と子供の友人関係はまったく関係ないように思えますが、実はつながっていたのです。大げさに言えば、そのことによって人生の方向性が変わることだってあるのです。

 

“風が吹けば桶屋が儲かる”という言葉があります。これは風が吹くことによって土埃が舞い上がります。そうすると埃が目に入って眼病を患う人が増えます。昔は盲人の職業としては、三味線の演奏や指導を生業にする人が多くいました。その結果、三味線がたくさん売れるようになります。三味線の製造には猫の皮は欠かせません。そして猫がたくさん捕らえられることで、天敵のいなくなった鼠が増えます。鼠は桶などの箱類をかじります。そして桶の需要が増えて桶屋が儲かるという話です。つまり、一見、関係ないと思えることでもそれが水面下でしっかりとリンクしてことはよくあるのです。