昨年9月、山梨県道志村のキャンプ場から、8歳の女の子が行方不明になりました。静岡県熱海市の69歳の男が、女の子の母親のことをインターネット上で“募金詐欺“などと書き込んで誹謗中傷したとして、10月15日に千葉県警成田署に逮捕されました。娘さんが行方不明になって、心を痛めている母親を勝手な思い込みで誹謗中傷するとは、まさに卑劣な犯罪です。
この事件はマスコミでも度々報道されましたから、ご存じの方も多いと思います。親御さんが目を離したわずかな時間に女の子は行方不明になりました。警察は、キャンプ場内はもとより、北におよそ500m離れた道志川や川が流れ込んでいる神奈川県の道志ダムの中まで潜って捜索しました。それでも全く手掛かりは得られずに、行方不明から1年が過ぎてしまいました。
我が国では、平成30年のデータで8万4753の行方不明者が出ています。この数は毎年大きな変動はなく、8万人から9万人の間で推移しています。ここでいう行方不明者とは、警察に行方不明届が出された延べ人数です。この中で認知症患者は、1万6866人含まれています。行方不明届が出された後で、届出人や警察によって所在確認された人は、7万2949人います。所在確認とは、行方不明届が取り下げられたり、死亡が確認されたケースです。つまり、残りの約1万人の人が、毎年、所在確認されずに本当に行方不明になっているのです。その中には自分の意思で、家出をして所在の分からない人もいるでしょう。しかし、道志村の行方不明事件のように、家出するような状況でない中で神隠しにあったように忽然を姿を消してしまうようなケースも数多くあります。
私も毎年、10件ぐらいは行方不明になった方のご家族や関係者から、捜索を依頼されています。もちろん、私はそのすべてを発見できたわけではありません。私と波長がピッタリと合えば、その人の居場所までたどり着けることもあります。多少離れていたも波長が近ければ、今その人のいる町や最寄り駅まで特定できることもあります。波長が完全に離れているときは、その人の居場所はまったく感じ取れませんので依頼をお断りしています。例年、依頼を受けた場合は、その中の30%~50%ぐらいは見つけ出しています。
私の場合は、まず頭の中にレーダーのようなものを思い描きます。そして行方不明者の愛用品を手に取ってその人の霊的な波長を頭に刻み込みます。あとは頭の中のレーダーを通して、その波長が東西南北のどの方向から発信されているのかを辿っていきます。警察犬が犯人の匂いを辿って見つけ出すように、波長を追いかけて探していきます。人の霊的な波長は生まれた時から死んだ後まで変わりません。ですから今、その人が生きていても死んでいても、その場所まで辿っていくことはできるのです。
ただ、このやり方で捜索をしているときに、突然、方向性を見失ってしまうことがあります。足取りをたどって山々や町中を歩き回る中で、さっきまで頭の中で発信していたその人の波長が突然、途絶えてしまうことがあります。まさに神隠しにあったようにプッツリとその人の反応が消えてしまうのです。そのような場合は、最後に感じた場所の周辺部を人海戦術で探していきます。その結果、発見できたこともあれば、それ以上は前へ進めなくなり、発見できないこともあります。
ただ、長期間にわたって行方不明になっている状況では、生きてどこかで暮らしていることよりもすでに亡くなっていることが圧倒的に多いのです。(2)へ続く。