どうして先祖が自分の子孫に悪影響を与えるのか。人によっては“先祖が自分の子孫に悪影響を与えるというのは理屈に合わない。だから先祖の因縁などというものはない”と断言している人もいます。

 

では今回のケースを考えてみてください。まず、関東大震災にしても三船受難事件にしてもそこで亡くなった方は、ごく普通の民間人です。戦闘行為で亡くなった戦闘員でも、生に強く執着したり、強い無念の思いによって魂が現世にとどまってしまうことがあります。非戦闘員である民間人は、魚雷攻撃で乗っていた船を撃沈される理由はありません。その船に乗っている人は、何ら殺される理由のない老人や子供や婦女子が大半なのです。関東大震災のような突然の自然災害で亡くなる人も、何ら死の準備ができていない中で突然命を落としているのです。それだけ自分の死を受け入れられず、強く現世に執着してしまうのです。

 

現世に強く執着した魂は、あの世へ上がることができずに、その場所にとどまります。そして現世にとどまっている間は、何百回も火災による炎に焼かれて、全身焼けただれて川へ飛び込むのです。暗い海に浮かんで、何度も海水を飲みながらも、必死で生きようとして泳ぎ続けます。そしてやがて力尽きて海に沈み、呼吸ができず、海水を大量に飲んで苦しみながら死んでいくのです。これを何百回も繰り返して、苦しんでいる魂は何を思うのでしょうか。

「誰かこの苦しみから救ってほしい」

と思うことはごく自然なことなのです。そのときに生きている人間に助けを求めようとしても霊的な波長が離れていれば、つながることはできません。血のつながりのある家族や親族は、赤の他人よりははるかに波長の近いことが多いのです。その結果、苦しみや怒りや無念の思いを抱えた先祖の不浄霊が、波長の近い子孫に同調することが起こるのです。

 

同調した先祖の霊の目的は、

「自分の苦しみを分かってもらい、自分を救ってほしい」

と望んでいます。

 

人は良い出来事が続いているときは、過去を振り返りません。その理由を追求することもありません。今に満足しているからです。それでは原因不明の病気になったり、事故や事件が続いたらどう思うでしょうか。普通は、

「何でこんなことばかり自分に降りかかるのか。自分の何がいけないのか」

と考えて、その理由を探ります。

 

そのとき、病院へ行っても、家族や上司に相談しても、原因が特定できないとき、多くの人は最後に”ダメ元“と思って、私のような人間を頼ってきます。そこで今回のように、”成仏できずに苦しんでいるご先祖がいることが原因だ“と分かれば、浄霊などによってその魂はあの世へ上がることができます。その結果、現世にとどまって苦しんでいた魂は、あの世へ上がってその目的を果たすことになります。これが先祖の霊が子孫に憑いてしまい、子孫に悪い出来事が続く際の1つのパターンになります。

 

他にもさまざまな因縁によって同じ日や同じ時期に悪いことばかりが続くケースはあります。私に相談する人の中にも

「毎年、10月になると会社の運転資金が滞る」

という経営者がいました。確かにそういったことが続くケースはあります。ただ、それが分かっているのなら、8月ぐらいからそれに備えて資金繰りを手当てしておくことで10月を乗り切ることはできます。

 

私も8月は、旧盆や終戦記念日などの影響によって、毎年鬼門になります。ですから7月半ばぐらいから、警戒して慎重に暮らしています。そのように対応することで、ここ2~3年は、大きな霊障を受けることなく無事に夏を乗り切ることができています。