今日の東京は朝から雨が降り続いています。湿度も90%を超えていて、外に出るとねっとりとした汗が沸き上がってきます。先ほど出張鑑定に出かかて、街を歩きました。通りを歩く人たちの顔も気のせいか、皆さん、うつむいているように見えます。私の気持ちも油断をすれば、どんどんへこんで行くように感じます。私は自分の気持ち=意識を悪くしないように、努めて明るいことを考えながら鑑定場所へ向かいました。

 

この重苦しいムードは何なのか。それは単に天気のせいではありません。今日の東京ではコロナの感染者が366人も出て、過去最高を更新しました。ここのところ連日のように新規感染者数は200人を超えています。緊急事態宣言が解除されて、コロナはようやく収束へ向かうと思われていた期待は、完全に打ち砕かれました。

 

今まではコロナについてマスコミが連日報道していても、どこか他人事のように感じて今ひとつピンときませんでした。それは自分の回りにコロナに感染した人が一人も出ていないことや、感染が報道されても自分の生活圏から離れた場所での出来事だったからです。ただ、ここにきて都内の累計感染者数が1万人を超えるに至り、私の生活圏の中でも感染者の出たお店や施設が何か所か出てきたのです。自分の目線の届く範囲で感染者が出てくると、さすがに他人事とは感じられなくなります。

 

物事はその出来事自体に良し悪しが決まっているのではなく、それをどのように受け止めるかによって、結果として良い出来事にも悪い出来事にもなります。同じように今日の天気やコロナの感染自体よりも、その結果、多くの人たちが感じている苛立ちや不安感が、この重苦しいムードを蔓延させています。世間に広がるムードは、現実に起こる結果よりも、人々が感じている思いによって醸成されていきます。私は自分がコロナに感染しないことは分かっています。それでもコロナの感染者数が増えてきた中で、ネガティブな思いを感じてしまいます。

 

多くの人たちの思いは、その場の空気を大きく左右します。月曜日の朝の大手町は、これから出勤する人たちの緊張感にあふれてピリピリとしています。日曜日の朝の大手町は、スイッチをオフにした人たちの緩やかな雰囲気が漂っています。同じ場所であってもそこにいる人たちの思いによって全く違う空気を作り出しています。観光地へ行くととてもリラックスできるのは、その土地の波動や景色よりも、そこに集まっている人たちのオフの思いが溢れているからです。

 

人間は誰でも無意識に自分の思いを発信しています。そして無意識にその思いを受信しています。ですから言葉や文字で表現しなくてもその場にいるだけでその思いは伝わります。大好きな人が近くにいれば、何も話さなくても暖かく優しい気持ちになります。大嫌いの人が近くにいれば、その人から何かをされなくても不快な気持ちになります。ですから自分の気持ち(感情・思い)を良い方向へ制御することはとても大切なことです。今日の都心の街を歩いてそのことを強く感じました。こんな天気ですし、こんな状況でもそれに流されることなく、自分の気持ちだけは明るく快活に保っていきたいものです。