先日、車を運転して相談者のご自宅まで出張鑑定へうかがいました。場所は都内の幹線道路に面しています。よく車で通る道ですし、この家には今までに何回も訪れています。道に迷うことはありませんし、コロナの影響で道路も空いていました。快適に車を運転して道路の左側に面した有料駐車場へ向かいました。左にウインカーを出して駐車場に車を入れようとした瞬間に、後ろから猛スピードできたオートバイが、私の車の左側をすり抜けようとして、私の車にぶつかりそうになりました。バイクの運転手も私も急ブレーキを踏んで、ぶつかる寸前で衝突を回避しました。
私は有料駐車場に車を止めて、この方のご自宅まで数分の距離を歩き始めました。天気は曇り空で今にも雨が降り出しそうでした。車の中にはいつも傘を載せていますが、車を出た時には雨は降っていませんでしたので、傘は持っていきませんでした。すると外を歩き始めた私を待っていたように、急に大粒の雨が降り始めました。
「なんだ、タイミングが悪いな」
私は心の中でそうつぶやくと同時に、今日の自分に注意報を発令しました。流れが悪い時はさまざまなトラブルやアクシデントに遭遇する可能性が高まります。ですからこんなときは、より注意深く慎重に行動しなければなりません。
この日の出張鑑定はスムーズに終了して、相談者の方は安心したように笑顔で私を見送ってくれました。ここから歩いて車まで戻り、また車を運転して家路に着くことになります。私は自分に出した“注意報”を意識して、いつもよりも慎重に周囲の様子を確かめながら車を走らせました。するといつもは問題なく通過できる抜け道で、たまたま道路工事に遭遇しました。交差点ではいつもよりも赤信号になることが多いと感じました。その瞬間に私が自分に出した“注意報”は“警報”へ格上げされました。
普段、自分の感性のアンテナを立てなければ、何事もなく通り過ぎている時間です。しかし、私はこうやって、いつも自分の周りで起こる物事をチェックする癖がついています。そうやって何か悪いことが起こるなら、その予兆をとらえて災厄を回避しようと思っているからです。
一見すると面倒に思えるこの作業も自分を守るためだと思えば、特に苦にはなりません。実際、東日本大震災の日も、都内で午後から行われる予定の出張鑑定を延期してもらいました。延期の理由は私の心の中で明らかに“警報”が鳴っていたからです。もし出かけていれば、その帰り道は大渋滞の中で一夜を明かさなければならなくなっていました。あの混乱の中で何かのトラブルに巻き込まれていた可能性もあります。
この日もこの後、対面通行の道路のカーブで、車線をはみ出して進んできた対向車とすれ違いました。私は“警報”を感じたことで、いつもよりも慎重に運転していました。そのためカーブの手前で減速して、対向車が来るかどうかをカーブミラーで確認していました。もし、普通にカーブに入っていれば、車線をはみ出してカーブを曲がってきた対向車と正面衝突していました。このようなサインはたくさんあります。車に関して言うなら、
「子供がいきなり飛び出してきた」とか「ESC(横滑り防止装置)が付いているのにスリップした」とか、「カーナビやライト、ワイパーや方向指示器などの操作系の誤作動」、或いは「パンク」など、普通なら起こらないような出来事が3つ続いたなら警報を出した方が良いです。警報が出たならあまり外を出歩かずに、できれば早く家に帰った方が安全です。
思いがけないトラブルやアクシデントは無意識のうちに自分で呼び込んでいることがあります。今の自分のタイミングが悪い流れに乗っていると感じたなら、注意深く慎重に行動すること。そして流れが普通に戻ったのかどうかもまた慎重に感じ取っていくことが大切です。皆さんもご自身の感性を研ぎ澄ませていくことで多くのトラブルやアクシデントを回避することはできるのです。